TERU生き続ける原点「生活の中から滲み出るGLAYを大事にしたい」
コロナ禍で観光苦戦の函館盛り上げるGENTEN.HAKODATE
TERUそしてGLAYの原点であり原風景ともいえる函館だが、実はこのところ気がかりなのだとか。 「僕らが学生だった頃は観光も盛り上がっていたというか、人が多かったんです。いろんな国からでかい船が来て観光客が函館山のロープウェイに乗るような大変な状況だったんですが、コロナになってからは観光の足が一気に途絶えてしまって」 そんな地元函館を少しでも盛り上げたいと今年7月から動画配信サイトYouTubeで始めたのが「GENTEN.HAKODATE」だ。撮影自体は6月から始まりTERUはナビゲーターとして市場に商店にさまざまな場所へ赴いて地元の人々と直に接してコミュニケーションを楽しみながら番組を作っている。 「もともとコミュニケーション自体が好きなので以前から普通に買い物をしている最中にお店の人と会話が弾んだりするんですよ。そういう自然な姿が収録される中で『あ、こんなに函館の人たちは元気なんだ。活気があるんだ』って少しでも伝えられたらと思うんです。どこへ旅行に出かけるか迷っているときに『TERUも楽しそうにやってるから函館に行ってみようか』とか思ってもらえたらと」 地元の人々からTERUのもとへ『今の函館をリアルに届けてくれるのはすごく嬉しい』という声が届いているという。
「歌いたい新曲があるんだ」TAKUROの涙に…
GLAYの描く世界観は函館という小さな町から始まったが今月21日にリリースした60枚目となるシングル「Only One,Only You」は世界に向けて発信する曲だ。今年2月、ロシアのウクライナ侵攻が始まった時期にTAKUROから『歌いたい新曲があるんだ』と曲が送られてきたという。 「コロナ禍でレコーディングもリモートで始めたのですが6月ごろTAKUROが泣きながら『ほんとに今日朝早く目が覚めて、戦争が終わっていれば良いなって…』って話をするんです。そのときTAKUROは東京で、僕は函館のスタジオだったんですけどその瞬間、曲に対する想いが一層重くのしかかってきました」 生まれ育った函館でレコーディングしたことも大きいようだ。 「常日頃ニュースやSNSで現地のリアルな映像が自然と目に入って来るのでそのシーンがなかなか頭から離れません。この函館には両親がいて、友達がいて、生活があるんです。そしてウクライナやロシアの人たちにもそれぞれ立場は違っても本来の生活というものがあるはずです。そんなことをリアルに感じながら曲を作ることができました。この曲が多くの人たちに届いて、今この状況をちゃんと考えるきっかけになって欲しいなと思います」 函館での原風景をきちんと見つめることがイコール、世界へ楽曲を届けることにもつながっている。