48歳の新庄剛志氏トライアウト適時打パフォに”ネット民”は感動「日ハムは獲るべき」の大エールも…シビアな現状とは?
阪神、日本ハム、メジャーのメッツ、ジャイアンツなどでプレーした新庄剛志氏(48、以下敬称略)が15年ぶりの現役復帰を目指して7日、都内で開催されたプロ野球の12球団合同トライアウトに参加した。シート打撃では4打席立ち、3打席ノーヒットだったが、最後の打席に一、二塁から元ヤクルトの育成左腕、日隈ジュリアス(23)のチェンジアップをとらえてレフト前にタイムリーを放ちスターらしい存在感を示した。48歳のパフォーマンスに“ネット民”は感動。古巣の日ハムに対して「獲得すべき」の大エールまで起きているが、映像で動きをチェックしてもらった元ヤクルトのスカウト責任者、片岡宏雄氏は、「彼の特徴である躍動感がなかった。よほど戦力以外の何かプラスアルファに理由がなければ獲得する球団は出てこないかも」と厳しい見方をしていた。新庄は12球団からのオファーを待つ期限を「6日間」としている。
「しっかりとした野球のスタイルを見せたい」
新庄は空から舞い降りてこなかった。ハーレーダビッドソンに跨って登場することもなかった。 「ここに立つことがパフォーマンスでしょ。だって48ですもの」 髪の毛も派手に染めることもなく黒。 「おとなしめ。自身がしっかりとした野球のスタイルを見せたいと、自然とこうなった」戦力外となった57人が参加した人生をかける場に新庄は元プロ野球選手の一人として真摯に足を踏み入れた。 「今までの人生にない感じの緊張感がちょっとあった」という。 トライアウト用の特別ユニホームを製作していたが、NPBから元所属チームのユニホーム以外は「アウト」のダメ出しをされ、日ハム時代のユニホームに背番号「1」をつけて登場した。 それでも「(ユニホームから)オーラを出す。今風の着こなしじゃない感じにしたかった」とのこだわりがあり、胸元を開き袖を短くウエストを絞るなどのマイナーチェンジを試みた。特に「1」のフォントを下の台が出るように変えてトレードマークの赤いロングリストバントをつけて1年の時間をかけて準備した大舞台に挑んだ。 「バッター。新庄」のアナウンスが場内に響く。 第1打席の相手は元広島の平岡敬人(25)。一度、バットを天へ高く突き上げる現役時代のルーティンから、構えに入った新庄は、初球の143キロの外角のストレートを打ってでた。打球はセカンド正面。バットの先だった。一塁へ走った新庄は苦笑いを浮かべた。 だが、この一打に反応したのが、元チームメイトのメジャーリーガー、ダルビッシュ有だった。 ツイッターで「10年以上野球やってないのに143km/hを芯に当ててるのが凄すぎる」と絶賛した。