NPB編成来場ゼロも来年は新庄剛志氏参加にラブコール!清原氏監督の「ワールドトライアウト」に意味はあったのか
球界復帰を目指している清原和博氏(52)が監督を務めることで話題を集めた「ワールドトライアウト2019」が30日、神宮球場で開催された。日米の元プロアマ選手のNPB入り、或いは海外への挑戦をサポートすることを目的としたトライアウトで、MVPに選ばれた元巨人、西武の高木勇人投手(30)、元中日の友永翔太外野手(28)、元横浜DeNAの白根尚貴外野手(26)ら元NPB組を含む26選手が参加したが、NPBから見にきた編成、スカウトはゼロ。ただメジャーの5球団、台湾の「富邦ガーディアンズ」のスカウトが来場し、元楽天で現在BCリーグの福島レッドホープスでプレーしている横山貴明投手(28)の獲得検討を明らかにするなどイベントの意義は示した。来年の目玉に期待しているのが、現役復帰を宣言した新庄剛志氏(47)の参加。「ぜひとも参加して欲しい」と主催者の加治佐平CEOはラブコールを送った。
台湾プロ球団のスカウトは本気モードで来場
ネット裏にただ一人だけスピードガンを構えるスカウトマンがいた。台湾プロリーグ「富邦ガーディアンズ」のスカウト、シェン・ユー・チー氏だ。 「エージェントから、このトライアウトが開催される情報をもらい、台湾から駆けつけました。うちのチームは、来季にむけて先発のできる外国人を補強する方向なので、候補者をチェックにきました」 台湾のプロは来季から外国人枠に関する規約が変更され現行の3人から4人に増える。そのため富邦ガーディアンズは、先発投手補強のため、神宮にスカウトを緊急派遣したという。チー・スカウトがチェックしたのは、3人。横手投げの横山、2メートルをこえる長身の外国人のカイル・ハルボーン、そして高木の3人。特にチー氏のスピードガンで最速147キロを示した変則の横山が印象に残ったという。 「球種がたくさんあり、スピードも十分。確か楽天時代は上から投げていましたよね。先発で行けるかもしれません。魅力を感じました」 横山は、2イニングを投げて不運なエラーが絡んで1失点はしたが、自責はゼロ。独立リーグ主体の相手では、格の違いを見せつけていた。横山は早大から2013年ドラフト6位で楽天入団。プロ初登板が「1球勝利」となり話題となったが、3年で戦力外となり、サイドハンドに変えたのは退団後だ。 ガーディアンズは12月中に補強選手を決定する方針で、チー氏は編成会議に今回の視察の結果を報告するという。 「こういう日米の選手が集まるトライアウトは、なかなか見られないので貴重な機会でした。私たちにはありがたい。でも当初、もっと選手が出る予定だったでしょ?」 直前になり何人かの有力外国人選手が参加辞退となっていた。 今回のトライアウトのコンセプトは「NPB復帰を支援する。海外から日本へ。日本から海外へ」というもの。NPB復帰、或いはNPB入り、また海外でのプレーを熱望する国内の元プロアマ選手に、その場所を提供し、逆にNPBでのプレーを希望する海外の選手にも見てもらえる機会を与えることを目的としていた。 台湾のスカウトが本気モードで来場するなど、今回のトライアウトが単なるイベントではなく実効性があることは証明した。