48歳の新庄剛志氏トライアウト適時打パフォに”ネット民”は感動「日ハムは獲るべき」の大エールも…シビアな現状とは?
ではシビアに新庄の現在の実力のほどは、どれほどのものなのだろう。 元ヤクルトのスカウト責任者だった片岡宏雄氏に、トライアウトを映像でチェックしてもらったが、感情論に流されぬ厳しい見方をしていた。 「私は西日本短大付高時代から、彼のその類まれなるポテンシャルに目をつけていたが、最大の特徴である躍動感、スピード感がまったくなくなってしまっていた。48歳なのだから当然かもしれないが、打球を打った後に踏み出す一歩目に、それが顕著に出ていた。相手は戦力外になった育成選手のレベル。技術とセンスでヒットは打てる。現役時代と変わらぬユニホーム姿を見せてもくれた。だがトータルで1軍の戦力になるか?と聞かれれば難しい。チームの中でもまれ本格的なトレーニングをすれば、ある程度のスピードが戻ってくる可能性はあるのだろうが、48歳の選手に、それを待っている余裕は、どの球団にもないと思う。よほど戦力として以外のプラスアルファを彼に期待する理由がなければ獲得球団は出てこないかも。1軍にいないと意味のない選手だからなおさら難しいのではないか」 新庄自身もまだスピード不足であることを感じとっていたようで、「もし球団に入ることができたとすれば、素晴らしいトレーニングコーチやら、器具がそろっているから(パフォーマンスが)戻ってくるような気がする。足の回転やパンプアップができるんじゃないか」とも説明していた。 NPBの歴代最年長記録は山本昌氏の50歳。野手の歴代最年長記録は、阪急でプレーした浜崎真二氏の48歳で、来年1月で49歳になる新庄がユニホームを着れば、野手として歴代最年長記録を更新することになる。ファンの大エールとは裏腹に現実は厳しいが、新型コロナ禍の影響で無観客となった2020年のトライアウトで新庄が残した足跡は大きかった。今のプロ野球から失われつつある何かを。そして人生に必要な何かを強烈なメッセージとして伝える1日、いや1年の挑戦となった。新庄は12球団からの獲得オファーを待つ期限を6日間としている。