「深刻さを大変重く受け止めている」日野自動車会見8月2日(全文5)
株主総会では新たな問題を説明しなかったが
そこからしっかりひもといていっても、今回の調査報告書に関連することが想定できるような事案はございましたので、3月4日の事案に対しての真因と再発防止っていうことをわれわれメーカーなりにやってございました。こちらにつきましては少し、説明が分かりやすかったかどうかは別として、株主総会のときにも時間を掛けてご説明、ご報告をさせていただいて、新体制を承認いただいたということになります。今回の事案につきましては調査委員会に委嘱していたものを、今回、8月の2日の本日の会見の前の1日にいただいて確認をしたということになります。少しリアリティーを持ってご理解いただきたかったので説明が冗長で長くなったかもしれませんけれども、そういった内容でございます。 東洋経済新報社:確認なんですが、株主総会の場で3月4日に報告した以上の問題が発生しそうだみたいなご説明はされていないですよね。 小木曽:はい。その時点ではやはりまだ追加の不正行為があるかどうかっていうのは明確になっていなかったですし、われわれも情報を正式に、というか情報をいただけていませんでしたので、その時点で分かる範囲のことをご説明し、ご質問に答えて、株主総会を執り行ったということでございます。 東洋経済新報社:分かりました。それともう1点目、それとつながるんですけれども、足かけ20年弱にわたって不正がずっとあったまま、是正されないまま、三菱自動車の件もあって、報告でも、ちゃんと報告しなかったっていうことなんですけれども、これは、例えば内部通報制度だとか監査制度だとか、その辺りに不備がなかったのか、報告書でもいろいろ触れられていますけれども、どうしてこういうことが下から上がってこないっていうことに対してはどのようにお考えでしょうか。
不都合な報告を上に上げるようにすることに尽きる
小木曽:当社においても、今、足元のところではもう内部通報制度ですとかコンプライアンス系の仕組みを充実し、まだまだ、より透明性のある職場、会社にしていきたいというふうに思っておりますが、そういったことを充実させていこうとしています。今回の調査報告を、私自身も300ページをきっちり今から読み込みたいと思います。 昨日の時点で見れるだけは一気に、斜めに見ましたけれども、やはりここから読めることというのは、もちろん内部通報も大切でございますが、やはりパワートレーン実験という1つの部署、1つの担当者ではなくて、第1部の後半にも伝えましたとおり、1つの部署で長期間にわたって問題が継続して表に出なかったというのは、やはり会社の風土とか仕事の仕組みの中で、悪いニュースが下から上に上がりにくい。これは、もちろん内部通用のようなショートカットも大事だと思いますけれど、通常はやはり、会社の仕事の不都合なことですので、これは不正をするのではなく、当たり前ですけれども、問題が解決していない、日程が間に合わない、これを上に上げるようにすることに尽きると私は思います。 それと斜め読みをした調査報告の中には、冒頭のご質問にも、いただきましたけれど、トヨタの仕組みを一部入れてるところがあります、形として。チーフエンジニア、車両のチーフエンジニアがいます。それからエンジンの主査というのもいます。で、パワトレの実験の部署がいます。ここは大きなエンジン、車両のプロジェクトであれば横通しで、今回の規制の、例えば燃費のハードルは高いけれど、どうなったんだろうとか、困ってないかとか、車全体で、少しお話もあったかもしれませんけど、車全体でどうしていくんだろうか。劣化耐久試験というのは一番開発の中で日程が掛かるものの1つでもあります。ですからこれは日程の中で、みんなで心配をすることですし、その耐久試験に入る前に最終形に近い開発は終わっていなければいけないと思います。 【書き起こし】日野自動車会見8月2日 全文6に続く