東京・京都のほか大阪・兵庫でも始まった「日本版ライドシェア」 大阪府・市は独自の「大阪版ライドシェア」構想も
タクシー会社の管理のもと、一般ドライバーが自家用車などを使って乗客を有料で運ぶ「日本版ライドシェア」のサービスが今年4月から、東京都の都市部などの一部地域で解禁されました。近畿では、4月上旬に京都府内の都市部で営業が始まったのに続いて、大阪府・兵庫県でも5月下旬に営業を開始するタクシー会社が登場。今後も増える見込みです。5月中旬、筆者は京都市内へ行き、実際に「日本版ライドシェア」を利用してみました。
私服姿のドライバーが運転
5月中旬の夕方、筆者は京都市の市街地でタクシー配車アプリを使ってライドシェア車両の配車を申し込みます。待つこと約10分で、黒いワゴン車が目の前に到着。アプリで通知されていた通りのナンバーと車種です。 タクシーに乗るときのクセで、後部座席のドアの前で待っていると、私服姿の男性ドライバーが運転席を出て筆者の前までやってきます。ハッとして「自分でドアを開けた方が良かったですか?」と筆者が尋ねると、「いえいえ。どうぞお乗り下さい」と笑顔でドアを開けてくれる男性ドライバー。プロではなく、知人でもないドライバーの運転する車に乗る機会はまれで、緊張していましたが、このやり取りで少し心がほぐれました。 車体には、タクシーのような行灯(社名表示灯)は見当たりませんが、ナンバープレートの色は自家用車であることを示す白色ではなく、なぜか事業用車であることを示す緑色でした。男性ドライバーによると、タクシー会社の保有する営業用の車両で運行しているためとのこと。行き先はアプリで入力済みですので、特に行き先を聞かれることもなく、出発しました。 男性ドライバーは、プロの運転手ではありません。友人の勧めで、京都市内のタクシー会社が募集していたライドシェアドライバーのアルバイトに応募し、採用されたそうです。乗務するのは週3~4回。乗客の9割5分は外国人の乗客で、日本人はとても少ないとか。「外国人の方が多いのは、ライドシェアの利用に慣れているせいじゃないですか」と男性ドライバーは話していました。 運転はとてもスムーズで、加速も停止もていねいです。男性ドライバーによると、タクシー会社での事前研修では、市内の細い道路を運転する際に気をつけるべきポイントなど、安全運転に関する知識を教わったとのことです。 「外国の方を含めて、いろんな方をお乗せできるのがこの仕事の醍醐味」と男性ドライバーが語り終えると、目的地に到着。乗車時間約15分のライドシェア初体験でした。