日銀・黒田総裁会見4月27日(全文1)粘り強く金融緩和を続ける必要がある
明確化された範囲内で変動することを想定
それから長期金利の変動幅の拡大、拡大というんじゃなくて、私どもが申し上げたような明確化ですけれども、これは3月会合で市場機能の維持と金利コントロールの適切なバランスを取るという観点から、長期金利の変動幅について上下にプラスマイナス0.25%程度ということを明確化したわけであります。こうした観点から国債買い入れオペの実務的な対応として、事前に示す買い入れ予定額についてレンジから特定の金額に変更するとともに、長期金利が変動幅の上限または下限を超える恐れがある場合以外は、買い入れ額を調整しないということに変更したわけでありまして、こうした下で長期金利については経済・物価情勢等に応じて、この明確化された範囲内で変動するということを想定しております。 もっとも、別に日本銀行は意図的に長期金利を変動させるということではなくて、経済・物価情勢に応じて明確化された範囲内で変動するということを想定しているということであります。
金融政策はどういうことができるのか
時事通信:時事通信の【イトウ 00:22:42】と申します。いわゆる経時回復といわれている中での金融政策の在り方についてお伺いしたいと思います。今回の展望レポートでも21年度、22年度の実質GDP成長率については、従来予想よりも改善が進むという見通しを示されています。一方で飲食や宿泊など、対面個人サービスについては、相当期間、現状を考えれば下押し圧力というか、厳しい状態が続くと思います。 先般、総裁は企業の資金繰り支援を柱とするコロナ対応策に関して、必要があればさらなる延長を検討するというご発言、講演の中でもされていましたけれども、こういう全体として改善傾向にありながら、一部に相当厳しい状況が集中してしまっているという中で、こういったコロナ対応策を含めた金融政策はどういうことができるのか、どういうことがあるべき姿なのか、その点についてご見解をお伺いしたいと思います。 黒田:もちろん金融政策はマクロ経済政策ですので、特定のセクターだけに絞ってうんぬんするということではないわけですけれども、ただ、このコロナ感染症の下で、企業の資金繰りに厳しさが増したということを受けて、現在の3本柱で企業の資金繰りを支援するとともに、金融資本市場の安定を図っているわけですけども、ご指摘のような形で全体として改善していっても、例えば対面型のサービス部門等、かなりの部門で資金繰りの厳しさが残るということであれば、当然このコロナ対応特別オペの延長ということもありうるというか、考えるということになると思います。 そういう意味では、マクロ経済全体を見つつも、今回のコロナの感染症の影響によって、かなり大きく深刻な影響を受けている、そういう対面型サービス部門の資金繰りというのは、やはり引き続きしっかり支援していく必要があるというふうに考えています。 【書き起こし】日銀・黒田総裁会見4月27日 全文2へ続く