日銀・黒田総裁会見4月27日(全文1)粘り強く金融緩和を続ける必要がある
最大限の努力で達成せねばならない
2番目のご質問にも関係しますけれども、もちろん2%の物価安定の目標というものは、これは2013年の1月に日本銀行の金融政策決定会合において2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するということを決めて、それが政府と日本銀行の共同声明にも盛り込まれているというものでありまして、この2%の物価安定の目標を達成するということは、日本銀行としての物価安定の使命に関わるものであり、なんとしても達成しなければならないというふうに思っております。 その際もちろん、他の要素が影響するということは事実でありまして、例えば原油価格がかなり大幅に下落したということがありまして、これが物価上昇率を押し下げたということもありましたし、さまざまな要因、それから政府の構造政策、成長戦略、あるいは機動的な財政運営等も物価に一定の影響を与えるということはそのとおりだと思いますが、やはりなんとしてもこの2%の物価安定目標を達成するということは、日本銀行としての物価安定という使命、第一の使命に関わることでありますので、最大限の努力をして、これを達成していかなければならないというふうに考えております。
2%はいつごろ達成できると考えているのか
ブルームバーグ:ブルームバーグ、伊藤です。2点お伺いします。1点目なんですが、2%の達成は見通し期間を超えると今お話をされたわけですが、では総裁はいつごろ達成できると今の時点でお考えなのかということが1点目です。 2点目なんですが、長期金利について伺いたいのですが、前回の会合で変動幅のほうを明確化しましたが、その後1カ月余りが経過して、総裁は長期金利の変動や市場機能の確保の効果についてどのように評価されているのか。市場では変動がその後あまり大きくないということで、日銀がさらに国債の買い入れオペを減額するんじゃないかと、そういう見方もあるようですが、そういう措置の必要性について総裁はどのようにお考えでしょうか。 黒田:まず2%の物価安定の目標を達成しなければならないということは、これは日本銀行としての使命でありますので、引き続き最大限の努力を払っていくということに尽きると思います。現時点での、展望レポートにも示されておりますとおり、政策委員の大勢見通しでは、2023年度でもまだ2%に達しないという状況になっているわけですので、このあと2年でもまだ2%に達しないということが、政策委員の中央見通しであるということはそのとおりだと思います。 私の個人的な見解を何かこれと別に述べるということは差し控えたいと思いますけれども、先ほど来申し上げているとおり、現在の長短金利操作付きの量的・質的金融緩和というのは非常に強力な金融緩和措置でありますので、これを粘り強く続けることによってGDPギャップのプラスをできるだけ長く続けて、それによって実際の物価上昇率も徐々に上昇していくということを実現し、そういうことを背景に予想物価上昇率も上昇していくというプロセスによって、2%の物価安定目標を達成できるというふうに考えております。