新型ポルシェタイカンで1000kmドライブ。その正常進化ぶりを体感!
2024年2月、新型のポルシェタイカンが発表された。「Higher, faster, further(より高く、より速く、より遠くへ)」をキャッチコピーとして掲げるフェイスリフトモデルだ。9月末頃からようやく日本でも納車が始まっており、ベーシックモデルである後輪駆動のタイカンを借り出し約1000kmのロングドライブへ出かけてみた。
フェイスリフトでよりシンプルに、洗練された印象へ
ポルシェ初の量産BEV(電気自動車)タイカンが発表されたのは2019年末のこと。それから約4年を経て、広範囲におよぶアップグレードが施された。これまでグローバルで約15万台のタイカンが生産されたという。導入当初は年産約3万台という話を聞いていたので、計画以上のタイカンが世界中を走っていることになる。日本市場はいまだ新車販売におけるBEVの割合が約2%ということもあり販売台数はまだそう多くはないかもしれないが、東京の街ではよく見かけるようになってきた。
これは他のモデルにも共通することだが、ポルシェはフェイスリフトでエクステリアデザインに大きく手を入れることはしない。変更点は主に2つ。ヘッドライトとテールライトだ。フロントは先代ではヘッドライトから縦にのびる特徴的なスリットが与えられていたが、それが廃されシンプルな顔つきになった(ちなみにターボとターボSには、新デザインの縦長の黒いパネルが配されている)。テールライトはひと目で見分けるのは難しいが、よく見るとライト中央にあるポルシェロゴが立体的なガラスルックのデザインになっている。
インテリアデザインも基本的に先代から大きな変更はない。インストルメントクラスターやセンターディスプレイの機能やデザインが最適化されており、アンビエントライトやスマートフォンのワイヤレス充電機能、ステアリングホイールのモードスイッチ、パワーステアリングプラスが標準装備になった。
理想的な環境下での充電性能が向上
BEVにとってもっとも気になるのは航続距離だろう。バッテリーの総容量は89kWhで、オプションの大容量仕様であるパフォーマンスバッテリープラス(PBP)は、先代の93kWhから105kWhに増加。標準仕様は最大出力408PS/最大トルク410Nm、PBP仕様なら435PS/420Nmへとアップする。0-100 km/h加速は4.8秒で、これは先代モデルを0.6秒上回る。