新型ポルシェタイカンで1000kmドライブ。その正常進化ぶりを体感!
PBP仕様の航続距離は最大678 km (WLTPモード)と先代に比べ約35%増加しており、また充電性能も最高270kWから最高320kWに引き上げられている。理想的な環境であればバッテリーを10%から80%まで充電するのに必要な時間は、先代の21分30秒から18分まで短縮されているという。実際のところいまの日本の環境では、高速道路の急速充電器で30~90kW、ポルシェディーラーなどのポルシェターボチャージングで150kWなので、その性能を使いこなせる環境は整っていない。
まだ約1000kmの慣らし運転を終えたばかりの100%充電された新型タイカンを借り出す。車両はPBP仕様でメーターに航続可能距離522kmと表示されていた。この数値は今後の走り方によって変わるものだが、おおよそカタログ値の8割くらいは走りそうだ。
東京から約400km、東北自動車道にのって仙台へと向かった。新型タイカンはリアモーターの出力を60kWアップ。さらにソフトウェアの最適化、高速からの減速時の最大回生性能を30%以上向上、空気抵抗や転がり抵抗の低減など高効率化が図られている。またアダプティブエアサスペンションが標準装備になったこともあり、加速がよくなっているとともに、乗り心地もさらに改善されている。BEVならではの静粛性の高さもあって、オプションのBOSEサウンドシステムがさらにいい仕事をする。ロングドライブにはまさにうってつけのクルマだ。
1日目は不安を感じさせることなく約420kmを完走
道中は高速を下りて那須塩原あたりで少しドライブをしてから昼食をとり、ふたたび高速にのって仙台へと向かう。バッテリー残量が少なくなった場合には安達太良SAにある90kWの充電器に立ち寄る算段だったが、その時点でバッテリー残量は51%、航続可能距離は253kmと表示されていた。仙台まではあと約120kmということもあり、そのまま向かうことにする。仙台市内に到着時点での表示は残り37%、178kmだった。結局、道中は一度も充電することなく、なんの不安なく約420kmを完走できた。 ホテルにある普通充電器でひと晩充電しておくと、翌朝にはバッテリー残量は100%になっていた。翌日は山形県の天童市に立ち寄ってから東京へ向かうとする。道中は雨に降られるもいたって快適にひた走る。2WDだから安定感に欠けるなんてことはまったくないし、なおのこと軽快感が気持ちいい。