東京五輪でママさんアスリートの乳児入国は許可へ…安全・安心を確保できる?
東京五輪・パラリンピックは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、海外からの選手の家族や友人の入国は認められていなかったが、ここへきて急転直下、母乳で育てている選手の乳児に限って入国が認められることになった。五輪の放映権を持つ米NBC局のテレビ番組、TODAYの電子版が米国時間の6月30日に伝えたもの。 「水曜日(米国時間6月30日)の早朝、東京2020大会の主催者は、親であるアスリートを称賛し、授乳中のアスリートには例外を設けることを発表しました」 記事によると、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は「東京2020大会がパンデミックの最中に開催されることを考えると、全体的には残念ながら選手の家族やその他の同伴者の大会への同行を断らなければならない。しかし、授乳中のお子さんを持つアスリートが直面する特殊な状況を慎重に考慮した結果、必要に応じて授乳中の乳児をアスリートに同行できることを喜んで確定した」としている。 またIOC(国際オリンピック委員会)は、「東京2020の五輪・パラリンピック組織委員会が、授乳中の母親とその幼い子どものために、特別な解決策を見つけたと聞いて、非常に喜んでいる」と述べたそうだ。 ただし、乳児は選手村に入ることができず、代わりに「東京2020が承認した民間の宿泊施設」に滞在することになるという。 もともと、授乳中の乳児を同行させ、母乳での育児を続けたいとして、複数の選手が特例を認めてくれるように訴えていた。 その一人がカナダのバスケットボール女子代表のキム・ゴーシェである。今年3月に娘を出産し、母乳で育てているという。 ゴーシェは6月23日に自らのインスタグラムの動画でこのように訴えた。 「今、私は母乳育児の母親になるか、オリンピックのアスリートになるかの選択を迫られています。両方を手に入れることはできません。東京は、友人も家族も、例外なく認めないと言っています」 カナダのテレビ局CBCは6月25日付の電子版で、ゴーシェの訴えを取り上げた。 カナダオリンピック委員会と同バスケットボール協会は、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会に対し、ゴーシェの娘と夫のベン・ゴーシェ氏の日本入国を許可するよう働きかけたという。しかし、この時点では、CBCの取材に対して、資格のない人の同行が認められる可能性は極めて低いと述べていたそうだ。