「誹謗中傷はかなりありました」箱根駅伝予選落ち…“最多優勝14回の名門”と2年生スーパーエースが絶望した日「なんで自分はこうなんだろう」
お正月の風物詩、箱根駅伝の101回目となる号砲が迫ってきた。しかしハイレベルな競争もあって、近年はスーパーエース擁する大学、あまたの優勝回数を誇る伝統校も予選敗退の憂き目にあってきた。彼らはその事実に、どのような感情を持ったのか。「NumberWeb」掲載記事から知る。 【貴重写真】「き、金に近い茶髪サングラスで花の2区を…」異端エースや「か、かわいい…」黒縁メガネの大迫傑、「じつは見たことない…」レアなWマークの瀬古…箱根駅伝スターの写真を一気に見る!
出場98回、優勝14回の名門校が予選落ちした日
<証言1> SNSだったり、寮の留守番電話にもメッセージが入っていたりして。『お前らは中大の恥だ』とか、『1年生にキャプテンをやらせるからこうなるんだ』とか。 (田母神一喜/NumberWeb 2024年1月7日配信) https://number.bunshun.jp/articles/-/860261 ◇解説◇ 2025年で101回目の継走となる箱根駅伝、いわゆる名門校が数多く存在する。 〈出場回数トップ5〉 1位:中央大学 98回 2位:早稲田大学 94回 3位:日本大学 91回 4位:法政大学 85回 5位:東洋大学 83回 〈優勝回数〉 1位:中央大学 14回 2位:早稲田大学 13回 3位:日本大学 12回 4位:順天堂大学 11回 5位:日本体育大学 10回 近年、大学駅伝界を引っ張る存在の青山学院大学(出場30回/優勝7回)、駒沢大学(出場59回/優勝8回)でもランクインできない分厚さである。その中でも両方でトップに立ち、第35回から40回にかけて前人未到の6連覇を達成した中央大は、駅伝ファンなら誰もが知る名門校と評して過言ではない。
もし先輩に何か言う人がいたら…
しかしその連続出場記録が「87回」で途絶えたのは2016年の予選会のことだった。 2010年代に入って以降、中大は苦しんでいた。13年には5区での途中棄権によってシード権を失った。これが29年ぶりの出来事だったという事実は安定した力を発揮した証左でもあるのだが――この結果を受けて指導体制の変更やリクルーティングの立ち遅れが発生するなど、競争が激しい大学駅伝界の波にのまれる状況となった。 4年連続のシード落ちで迎えた2016年、低迷打破へOBの藤原正和監督が就任したものの、全日本大学駅伝の予選会で落選。悪い流れを断ち切るため、当時1年生だった舟津彰馬を駅伝新主将に、同学年の田母神が副主将に据えるドラスティックな変更を加えた。 「舟津は駅伝でも力があったし、頑張ってチームをまとめようとしていましたけど、やっぱり経験の差はありました」 予選会では必死の走りを見せたものの、学校名が呼ばれたのは本戦出場圏内の10位ではなく、11位。立川の地で箱根への道は閉ざされた。 「もし先輩方に何か言う人がいたら、自分が受けて立ちます」 予選会を終えた直後、19歳の舟津はキャプテンの自覚をもってこう話した。しかし実際には……誹謗中傷がかなりあったという。その内容が冒頭で取り上げた言葉である。 中央大はその悔しさを経て、翌年の第94回大会から7年連続で本大会出場を果たし、吉居大和らを擁した第98回では総合6位、第99回では総合2位まで復権してきた。総合13位に終わった第100回を経て10月に行われた予選会では全体6位で本戦出場を決めたチームは、伝統の「Cマーク」と赤タスキを胸に、2年ぶりのシード権獲得を目指す。
【関連記事】
- 【つづき→】「お前らは中大の恥だ」誹謗中傷の電話も…予選落ち1年主将&副主将が直面した伝統校の重責
- 【貴重写真】「ど、ド派手…」茶髪サングラスで2区を走ったエースや「か、かわいい…」黒縁メガネの大迫、「じつは見たことない…」レアなWマークの瀬古…箱根駅伝スターの写真を一気に見る!
- 「地獄を見ました」中央大・藤原監督が明かす真相…箱根駅伝・優勝候補がまさかの13位“シード落ち”「8人発熱、悲劇はこうして起きた」
- 「どうしてこんなことになったのか…」中央大、不可解な失速で“まさかのシード落ち”…箱根駅伝まで2カ月、藤原監督が語る誤算「12位、大惨敗です」
- 【《青学大》編を読む】原晋監督がぼやいた「まさかの3位よ。びっくりしたなあ、もう」箱根駅伝まで2カ月、青学大の誤算「差がついたのは『中間層』」「やりますよ、箱根は」