禁断の後出し!? J1リーグ順位予想1~10位。優勝争いを制するのはFC町田ゼルビアか。それとも…【2024シーズン】
2024シーズンの明治安田J1リーグも残すところあと10試合となった。現在J1初挑戦のFC町田ゼルビアが首位を走っており、その後をサンフレッチェ広島やヴィッセル神戸が追走している。果たして最後に頂点に立つのはどこなのか。今回は“どこよりも遅い”順位予想を行う。(文:Nobuya Akazawa|J1全部見るマン)※情報は8月28日時点
助っ人の復帰が最大の補強に? 堅守速攻に潜む課題は?
10位:アビスパ福岡 監督:長谷部茂利 順位:7位 成績:勝ち点38/得失点±0 [5-2-3]のハイプレス+迎撃+ショートカウンターはアビスパ福岡の基本線で、堅守とカウンターを武器に対戦相手を苦しめてきた。ボール保持に挑戦してから勝利が先行しなくなっているのは気掛かりなところではあるが、チームとして帰るべき土台があるチームだからこそ、先を見据えて戦いの幅を広げることができているのだろう。 課題はセントラルハーフ(CH)を動かされることで、これが[5-2-3]のプレス+迎撃+ショートカウンターが機能しなくなった理由でもある。28節のガンバ大阪戦で[4-4-2]の布陣を採用したのは、勝てなくなってから生じたこの課題を考慮してのことだろう。 この問題の解消として岩崎悠人の走力とプレスの上手さを買った[4-4-2]が採用され、実際にかなり機能していた。だからこそ怪我で離脱しているナッシム・ベン・カリファの復帰が待たれるところだ。彼のボール保持の局面の振る舞いとプレッシングの上手さは昨季のサンフレッチェ広島でのプレーで証明されている。今夏の補強は池田樹雷人のみで、大きなテコ入れを行わなかった。ベン・カリファの復帰は大きな「補強」となり、彼らのラストピースとなりそうだ。
完成度はJ1屈指! 怪我人復帰で勝ち点量産!?
9位:アルビレックス新潟 監督:松橋力蔵 順位:12位 成績:勝ち点36/得失点-2 アルビレックス新潟はボールを持つことで相手の攻撃回数を減らすことができる。プレスを誘い込んで回避し、丁寧に整えながらビルドアップするクオリティはJリーグ屈指だ。特に怪我人が戻ってきてからのアルビレックス新潟は完成系に近いと思う。 秋山裕紀と宮本英治のセントラルハーフ(CH)コンビと長倉幹樹と小野裕二もしくは鈴木孝司の2トップが中央のスペースを共有しながら前進/プレス回避を行っていく。中央を締めるのならばサイドバック(SB)を起点に攻撃を組み立てる。藤原奏哉や堀米悠斗に加え、大外で起点となれる稲村隼翔や今夏加入した橋本健人の存在はチームにさらなる安定感をもたらしそうだ。外からも中からも進めていく中で、特に谷口海斗をフィニッシャーとして、ルートを作り出している印象を受ける。彼のゴール数が多くなっているのはこれも関係しているだろうし、ソロカウンターを叩き込める理不尽さを身に付けていることも関係しているだろう。 さらに丁寧に押し込むことができるので、トランジションも機能していて守備ブロックも安定している。小野や鈴木が怪我がちで出続けることが難しい中、全てをこなす長倉が台頭した。彼がゴールを決め続けることができるともっと順位を上げることができるだろう。チームとしての完成度はJ1リーグでも屈指のレベルにある。