禁断の後出し!? J1リーグ順位予想1~10位。優勝争いを制するのはFC町田ゼルビアか。それとも…【2024シーズン】
コンディションさえ整えば…。監督交代の効果は?
6位:横浜F・マリノス 監督:ジョン・ハッチンソン 順位:6位 成績:勝ち点41/得失点+6 ハリー・キューウェル前監督の下で苦しんだ横浜F・マリノスだが、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)が絡んだ過密日程も大きく関係していただろう。明らかに疲れも見え、プレー精度と判断力が鈍っていた。ましてやフルスロットルで戦うチームだからこそ、その消耗は激しかっただろう。 しかし[4-3-3]から[4-2-3-1]に変更してからは速さを選択するための前進が適っている。ブラジル人トリオが生き生きとプレーすることができゴール数も増加した。[4-3-3]を採用していたときは相手の「アンカー消し」に苦しんだマリノスだったが、中央の出口が増えたことで前進の安定感も増した。 またそれによってサイドバック(SB)が内側を取るのか、外側を取るのか、スペースの共有が良くなった印象だ。それに付随してネガティブ・トランジションも機能するようになっている。そして何よりも大きいのが西村拓真の復帰で、ハイプレスの足並みもより明確になった。 常に攻撃を仕掛け続けるためにコンディションの調整は必須だった。現在のマリノスを率いるジョン・ハッチンソン監督は選手の入れ替えを積極的に行う。出ずっぱりで疲労が溜まっていた選手たちの頭がクリアになって、身体も軽そうだ。マリノスの選手たちはコンディションが整えば、戦えるだけの強さや上手さがある。それは休養を取れた中断明けで証明済みだが、これから始まるACLをどのように乗り切っていくか。今季序盤の経験を今生かすときだ。
崩しの質を上げないと…。名門の優勝は難しそうか
5位:鹿島アントラーズ 監督:ランコ・ポポヴィッチ 順位:4位 成績:勝ち点48/得失点+10 鈴木優磨を中心にチームを作り上げている鹿島アントラーズ。彼が攻撃の構築に絡みながら、まず狙うべき背後のスペースを名古新太郎と仲間隼斗が積極的に狙っていく。これで発生したトランジションにセントラルハーフ(CH)をぶつけていくことで、相手を押し込んでいく。また左から右への対角のパスと同サイドの奥を取る攻撃構築は対戦相手を確実に苦しめていた。右サイドの濃野公人と師岡柊生の崩しのコンビも十分に脅威となっている。 しかし27節の浦和レッズのように対角を意図的に潰してくるチームや、最終ラインに5枚を並べて対角のスペースを消してくるチームに苦戦している傾向がある。植田直通の成長によって柴崎岳が崩しに入る回数が増えたのは良い傾向だと思う。しかし、バイタルエリアの崩しを搭載し切れてない分、ここで引っ掛かるとネガティブ・トランジションが機能しにくく、センターバック(CB)が晒される回数が増えてしまう。 この文脈で苦しんだのが27節の浦和レッズ戦で、これを参考にしてくるチームは増えるだろう。だからこそバイタルエリアの崩しを搭載したいところ。また先発メンバーとベンチメンバーの差も埋めたいところだ。バックラインのメンバーと鈴木優磨あたりに疲労の色が見えるのは否めない。体力を温存するためのボール保持やバイタルの崩し、ベンチメンバーの押し上げ。この辺りが揃ったとき、久方ぶりのリーグ優勝が視界を捉えてくるだろう。