禁断の後出し!? J1リーグ順位予想1~10位。優勝争いを制するのはFC町田ゼルビアか。それとも…【2024シーズン】
最後まで持つか? 今季も健在なフルスロットルサッカー
4位:ヴィッセル神戸 監督:吉田孝行 順位:3位 成績:勝ち点49/得失点+16 王者として臨んでいる今季、相変わらずの個の強さとそれを生かし切る組織力は健在だ。しかし酒井高徳や山口蛍の離脱が響いていることは間違いなく、あと一歩の出力や忍耐力の部分で勝ち点を落としている試合がある。しかし彼らの穴をチームとして埋めているのは好印象だ。 ここからさらに上に上がっていくために、ハイプレスを再整理したい。[4-2-4]気味でプレスを掛けるのだが、セントラルハーフ(CH)を横に動かされると厳しくなる試合が多い。今一度ファーストプレスラインの詳細を詰めて、ここの強度と堅実さを取り戻したいところ。そうすれば蹴らせて回収とショートカウンターを押し出していけるだろう。 攻撃面では大迫勇也にボールが集まる中で宮代大聖が復帰したことは朗報だ。大迫同様に「何でもできる」ところまで上り詰めつつある新たなストライカーの躍動が神戸には不可欠だろう。攻守ともに高い基準がある一方、エネルギーをかなり消費するサッカーを展開している。最近は落ち着いてボールを持つことで試合中に休む時間も作れているが、やはり基本はフルスロットルなサッカーを展開している。AFCチャンピオンズリーグエリート、天皇杯、リーグ戦と過密日程をどう切り抜けるかも大きなポイントになるのは間違いない。
補強も当たった! 苦しんだ昨季から飛躍、優勝もある?
3位:ガンバ大阪 監督:ダニエル・ポヤトス 順位:5位 成績:勝ち点48/得失点+10 ダニエル・ポヤトス監督2年目の今季、ガンバ大阪は我慢に我慢を重ねた昨季の経験を活かしている。そして、今季の補強もしっかりと当たっている。 J1リーグで最もゆったりプレーすることができる優雅なチームで、オープンな展開になることも少なく、守備が安定している。ここまで失点数がリーグで最も少ないことにも頷ける。さらに崩しの切り札として宇佐美貴史が好調を維持していることもここまで順位を上げ、リーグ優勝に十分手が届く位置にいる大きな理由だろう。 とはいえ、25節のFC東京戦から28節のアビスパ福岡戦では課題も露呈している。サイドバック(SB)の背後をどう考えるかに、失点が重なっている原因がある。SBやウイング(WG)が幅を作りながら相手を広げつつ、宇佐美や坂本一彩、山田康太のプレーエリアを確保していたときに比べると、現状はかなり流動的になっている。いわゆる移動コストが増えてしまった分、トランジションや自分達の立ち位置が整う時間を作り出すことに苦戦している。 ここから優勝を掴み取るために得点数の増加は必須事項だが、本来の守備の堅さとポゼッションを取り戻したいところだ。とはいえ決定機が少ないわけではなく、あとは精度の問題の部分もある。少しの運を手繰り寄せ、引き分けを勝ちに、負けを引き分けに、地道に積み上げていきたい。