禁断の後出し!? J1リーグ順位予想1~10位。優勝争いを制するのはFC町田ゼルビアか。それとも…【2024シーズン】
弱点露呈で急失速…。ボールを保持する理由が曖昧
8位:セレッソ大阪 監督:小菊昭雄 順位:8位 成績:勝ち点38/得失点-2 セレッソ大阪はビルドアップ隊とアタッカーがはっきりしている。そこを繋いでいたのが登里享平であり、毎熊晟矢であり、香川真司であり、奥埜博亮だ。サイドバック(SB)が自在に内側を取ったり、一つ前のライン間に入ったり、幅を作ったりして相手を動かしてアタッカーに良い状態でボールを届けることに成功していた。 しかし内在していた弱点がここ最近は露呈してしまっている。それが可変によるネガティブ・トランジションの機能不全だ。ビルドアップする際の土台の安定感を失ってしまっているのが現状で、その理由として可変による移動コストが挙げられる。ポジションを動かしていく最中にボールを引っ掛けられてしまうと、本来いなければならないところに人がいなくなってしまう。これがカウンターを喰らい続けて失点が重なる大きな要因になっている。 そして可変への対策として、ここを狙って突いてくるチームが増えた。特に27節の京都サンガF.C.戦はそれが露呈した一戦だった。守備はある程度安定していただけに、どのようにゴールを奪っていくのか、はたまた攻撃を構築していくのか。ここのバランス感覚を身に付けたいところ。ボールを保持する理由は何なのか、なぜボールを持つのか、という目的を明確にしたいところ。ビルドアップ隊とアタッカーを繋ぐ選手が必要になってきそうだ。
低迷の前半戦が嘘のよう!? FWの覚醒に天才の復帰、大幅アップ期待
7位:川崎フロンターレ 監督:鬼木達 順位:14位 成績:勝ち点34/得失点+4 組み立て時に人数をかけ過ぎたり、サイドの関係がサイドバック(SB)とウイング(WG)の2人になったりしたことで、川崎フロンターレらしくない試合が続いたが、大島僚太の復帰や組み立て時の人数の割き方を整理したことによって復活を遂げた。前線に人数がいないので、速さを選択せざるを得なかった前半戦が嘘のように、相手を動かし、スペースで受けて崩しに入っていくためのビルドアップが可能になっている。だからこそシュートチャンスが増えたり、オープンな展開が激減している。 また山田新の覚醒により、ゴール前の迫力や困ったときに基準点を作り出すこともできるようになっている。そして、山田の起点作りと大島の復帰によって良さを存分に出せるようになったのが脇坂泰斗。ライン間でのプレーはやはり一級品で、彼が絡むと崩しに迫力が増す。また今夏加入の河原創の存在も大きい。走れて、奪えて、捌ける。中盤として求められる能力をいずれも高い次元で持ち合わせる河原の加入は、仮に大島不在となってもどうにかなりそうな安心感を与える。川崎特有のテンポの管理を身に付けることができれば、河原はもう1つ上の選手に進化しそうで、チームと選手の化学変化に期待したい。 懸念点として挙げられるのはAFCチャンピオンズリーグエリートの日程だ。過密日程によるターンオーバーや、主力組に怪我人が出た場合、彼らとの特徴の違いで安定感を失わないかが不安なところだ。