死者少ない要因は 専門家会議が会見(全文4)北九州市はクラスター班が調査中
東アジアの中では死亡者数が少ないと言えないが
時事通信:分かりました。そして、欧米諸国に比べて日本の死亡が少ないというのは確かにそのとおりだと思うんですけど、東アジアの中で見ると、必ずしもそういえないことについてはどのようにご覧になっていらっしゃいますか。 尾身:だからそこはもうそこに書いてあるとおりです。それで、特に台湾が一番、死亡者、2行目ですね、マル2の、(1)のマル2で台湾が特に低いという。全部の国を挙げるわけにいきませんから、その台湾の低さというのが主な理由としては、2003年のSARSなどの経験に準備が、いわゆるPreparednessということですね、それが日本に比べたらやや早かったんじゃないのかというのがここでいえて、さらに脚注に述べているのは、もう私が最初から申し上げましたけど、台湾と日本では欧米からの来る人のボリュームが違いますね、1点目。それから2点目は、台湾のほうがいわゆる水際作戦というのが日本よりもやや早めにやったんじゃないかというようなものが主な理由として考えられるんじゃないのかっていうのがここの説明です。
韓国や香港についても同様に考えているのか
時事通信:韓国とか香港に関しても同じようなことを考えておられるということでよろしいんでしょうか。 尾身:韓国の場合は。 押谷:韓国については疫学状況が日本とかなり違うので。韓国は最初に非常に大きなクラスターが起きて、そこで一気に、おそらく韓国国民の危機意識というのも高まっていたんだと思うんですよね。そういう中でわれわれが第2波と言っている、ヨーロッパとかアメリカとかそういうところから入ってくる感染者を迎えたのと、それと、日本はその段階ではそれほど多くなかったので、感染者が。そういうところもあるのかもしれないし、いろんな可能性が存在しているので、それはあらゆる可能性を排除せずに解析を今後もしていくということが必要になります。 尾身:それで今の韓国のことですけど、今のこの本の9ページに韓国のことも書いてありまして、ちょうど韓国と日本の比較ということで、韓国のがーんと最初にいったのは、これはいわゆる教会のあれですよね、皆さんご承知の。これがばーんとこれ、いいですか、私の言ってるのは9ページの下から2つ目のグラフですよ、日本と韓国の比較ということで、韓国はもうだーんと最初に、もう2月の25日、あの辺りで、これがメガクラスターです。これでかなり韓国は非常に強い意識を持ったと思いますね。これでずっといろんな調査もやって、ぐっと下がってきた。 ところが私の理解では、これは5月の6日ですかね。5月の6日に、日本で言えば緊急事態宣言みたいなのを解除したわけです。そうするとだんだんと上がってきて、今は5月20のということで、韓国の場合もかなり強くやったんですね。経験がだから日本とはちょっと違う。クラスターでばーんと来ましたから、それでかなり韓国の人は、もともとSARSのことがありましたから、そういうことであったと。その上にがーんと最初にクラスターが来て、その後かなり強い意識を韓国の人は持ったと思います。それで5月の6日には、よくみんなが頑張ったということで解除した。そしたら、解除したらすぐにまた感染が広がったということが、日本とちょっと様子が違うということだと思います。 テレビ朝日:会見室内はよろしいですかね。そしたらSkypeのご質問を先に代読させていただきますので、省議室、第2会見室で押谷先生にご質問のある方は会場のマイクのほうにお越しください。お願いします。