大阪府・吉村知事が定例会見5月18日(全文2)変異株の置き換わりで大きな波ができなかった
感染が急拡大しなかったのはなぜか
産経新聞:産経新聞の尾崎です。ちょっとコロナ対策の関連で2、3問、伺いたいんですけれども、先週だったと思うんですけれども、国のほうでゴールデンウィーク後、大阪が感染者数1万人超えるかもしれないみたいな推計が出たものの、実際ふたを開けてみると感染状況としては伸びずに横ばいぐらいになってきているという形で、その辺り実際それだけ急に感染が拡大しなかったのはなぜかという部分、知事のほうでお考えありましたら伺えますでしょうか。 吉村:まず人出については非常に多く出たというふうに思っています。これは僕が単に思っているだけじゃなくて、今日の本部会議でもデータとしてお出しをしました。ゴールデンウィーク期間以外の期間で取っても1.5倍ぐらいに増えているという状況です。1.5倍というのは去年の3月ぐらいに、まん延防止も緊急事態もなかった、措置がなかった、ここは飲食店へのお願いはしていましたけれども、まん延防止や緊急事態がなかったころを100%としたときに、今どういう数字かってずっとこれまで分析してきましたけれども、その中でも1.5倍、夜は1.5倍、昼間は1.2倍ぐらいの人出、そしてゴールデンウィークだけを取れば4倍ぐらいの増加というのがありました。現実の肌感覚としてもやはりゴールデンウィークは外出されている方が多い、接触の機会が多くなったというのは事実だと。数字上もそうだし肌感覚もそうですし、実際増えたんだとは思います。
感染しても社会経済活動を止めないようにするには?
ただ、それに合わせて感染がじゃあ急拡大するかというとそういう状況にはならなかったと。そこの理由についてはなかなか分析が難しいですが、1つはやはりワクチンの接種が進んでいるというのは大きくあるんだろうと思っています。ワクチン接種でもう高齢者の方では85%の方が3回目接種されていますし、僕も3回目接種もやりました。若い世代、現役世代全部含めたとしても50%の3回目接種を終了されているということが1つ大きな、僕は状況だと思っています。 もう1つの大きな状況とすれば、僕は変異株だと思っているんですけどね。変異株の置き換わりのときに波ができなかった。BA.2の波ができなかった、ちょこっと波ができたんですけども、大きな波にならなかった。そして新たな変異株がない。ここが僕は大きく増えなかった要素だというふうに思っていますし、専門家の皆さんもそういった、今日の本部会議でも専門家、そういったご意見の方もいらっしゃいますので、変異株とワクチン、あとはもうお1人お1人のちょっとした感染対策、基本的な感染対策、この3つの組み合わせだろうと思っています。 産経新聞:私も、実際、今回のオミクロンでもそうだったんですけれども、府の対策としても次の波に向けて、やっぱり高齢者に特化していくという部分が非常に強くなってきていると思うんですけども、あらためてその狙いを伺いたいというのが1点と、もう1点、社会経済活動を両立させていくという上で、高齢者以外の世代、そういったところの、感染したりしても社会経済活動を止めないようにするにはどうしていったらいいかという、府の施策としても考えている部分があれば伺えますでしょうか。 吉村:まずリスクっていうのはきちんと分析しながら対応しないといけないと思っていまして、そのリスクっていうのは、じゃあどこにあるのかっていうのを見たときに、やはり第5波まで、デルタ株までと、第6波でずいぶんリスクの寄るところが違ったというのはあると思います。第5波まででいくと、これは現役世代、われわれのような世代も含めて、やっぱりデルタ株で、毒性も強くて、そしてコロナ肺炎になり、そして酸素が不足する、なかなか入院先もない、自宅でお亡くなりになられる方が続出してしまうというのが第5波、夏。これは全国で起きました。