「産後うつ」の中で国政選挙に出馬。「異色の経歴」を持つ伊藤孝恵が政治家になった理由
政界は「回転ドア」のように多様な人材が出入りすべき
――先の衆院選後の、玉木さんの「一期生の仕事は二期生になることだ」というXのポスト(11月4日投稿)がすごく嫌でした。 伊藤:私も、その言葉には違和感があります。私たちは4年なり6年なり、限られた任期の中で市民の当たり前の感覚を代弁し、立法府で制度や法律にする任務を、投票してくださった皆さんの思いで与えられている。なのに、あのポストは「別にあなたの任務、どうでもいいよ」と言っているようなものですよね。なので、玉木に改めてこのことを伝えておきます。 ――そういうのって、言えるんですか? 伊藤:はい、うちの政党は戦うときは政策議論で戦うので、振る舞いなどに関して「それおかしいよ」と言っても、別に引きずらないんです。二期生になるのが仕事だとか、バッジを持ち続けるのが正しいという価値観こそが、議会の多様性を失わせていると思いません? ――そう思います。だから、あのポストはものすごくショックでした。 伊藤:議会の多様性のために、「リボルビングドア」という一般社団法人、そして「議会におけるリボルビングドア推進議員連盟」という議員連盟を仲間と一緒に立ち上げたんです。 「リボルビングドア」というのは英語で「回転ドア」のこと。働いている人が課題だと感じたことを、議会の中に入って政策として実現したら、また働く場所に戻ってもいいと思うんです。人生のある一時期、政治家をやるということは、社会の問題を自分ごととして捉えられる素晴らしい機会でもある。私は会社員を続けていたら会えなかった人や見えなかった景色、知らなかったことを知ることができました。 リボルビングドアのようなあり方が多く実現できたら、もっといろいろな人が政治に挑戦できると思うんです。 ◇続く後編【生まれて0秒で殺される子を減らしたい…伊藤孝恵が「子どもの幸福度」が低い日本を変えるために考えたこと】では、伊藤さんとたかまつさんが共通して取り組んでいる学校内民主主義の必要性に関する話や、伊藤さんがいま一番課題意識を持って取り組んでいる内密出産の問題について伝える。
たかまつ なな(時事YouTuber/株式会社笑下村塾 代表取締役)