「転売ヤー」への拒否感はなぜ生まれる? アレルギー反応との指摘も #くらしと経済
さらに、「転売を許容することもこれからの社会のあり方のひとつなのでは」と奥窪さんは提言する。 「なんでも定価で買えた社会から、いきなり転売ヤーにモノを奪われるみたいなショック状態にあると思うんですけど、転売ヤーをどう扱っていくかという問題は、もっと理性的に話し合う必要があると思います」 碓井さんの意見も、奥窪さんに近い。 「転売と聞くと、すぐに『汚いぞ』というような思いを持つんですけど、それを『でも、考えてみれば……』という冷静さで、感情を抑えることができるかどうかが大切だと思います」 ___ 奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県松山市生まれ。フリーライター。上智大学経済学部卒業後に渡米。ニューヨーク市立大学を中退、現地邦字紙記者に。中国在住を経て帰国し、日本の裏社会事情や転売ヤー組織を取材。最新作は『転売ヤー 闇の経済学』(新潮新書)。 碓井真史(うすい・まふみ) 1959年、東京都墨田区生まれ。社会心理学者。新潟青陵大学大学院教授。博士(心理学)。日本歯科大学新潟生命歯学部、新潟厚生連佐渡看護学校他の非常勤講師、新潟市スクールカウンセラーを兼任。テレビ、ラジオでも活躍。『あなたが死んだら私は悲しい』(いのちのことば社)ほか、著書多数。