【筆ペンで気軽に水墨画1】黒一色だからこそ、観る人の想像力を刺激する。まずは基本の「点」「線」「面」から
【線】 穏やか、力強い、温もりがある、などさまざまな線を習得すると、題材の幅が広がる (1)柴筆線(さいひつせん) 筆を紙にこすりつけ穂先を開かせて描く、かすれのある荒い線 (2)釘頭鼠尾線(せんていとうそびせん) 描き出しは釘の頭を描くように強く筆を置き、その後細く鋭くなる線 (3)柳葉線釘(りゅうようせん) 柳の葉のように線の両端が細く、中央部分が太くなっている線 (4)琴弦線(きんげんせん) 琴の弦のように細く美しい線。力を入れず、滑らかに筆を動かす
【面】 筆を少し寝かせて側面で描く。にじみやぼかしで面を変化させると、奥深い味わいが生まれる (1)にじみ 紙を湿らせたり、穂先に水をつけたりして、自然なにじみをつくる (2)かすれ 穂先の墨をティッシュで少しぬぐい、墨の量を調節して勢いよく描くと、力強い印象に (3)さえ 穂先に十分、墨を絞り出し、同じ勢いで筆を運ぶ。すっきりした面が描ける ◆組み合わせることで豊かな表現に (構成=浦上泰栄、撮影=本社・武田裕介)
小林東雲