なぜプロ4年目にして初達成のロッテ種市が今季パ”完封一番乗り”となったのか?
言葉通りに初回がポイントになった。先頭のドラフト同期生、鈴木将平が初球攻撃で三塁線を破る二塁打を放つ。2番・源田も初球を打って三塁ゴロに。一塁送球と同時に鈴木が三塁を陥れたが、ロッテの井口資仁監督がリクエストを要求。リプレー検証の結果、一転してアウトになった。 続く森もセカンドゴロに打ち取り、わずか6球で初回を零封して波に乗った。3回は9球、4回は10球とテンポをあげ、5回以降の4イニングは西武打線を四球ひとつだけに封じ込める。もっとも、西武の先発・本田圭佑も6回まで2安打無失点と、一歩も譲らずにロッテ打線を沈黙させた。 「バッターが点を取ってくれることを信じて粘りました」 本田との投げ合いをこう振り返った種市が、待望の援護射撃を受けたのは7回だった。先頭の3番・菅野剛士が四球で出塁すると、代走の岡大海が二盗に成功。今回の西武6連戦から4番に抜擢されている2017年のドラフト1位、21歳の安田尚憲のライト前ヒットで生還した。 さらに8回には3番手のドラフト1位右腕・宮川哲から、鳥谷敬が移籍後初のタイムリーとなる、二者を生還させる二塁打を左中間へ放つなど大量4点を追加。勝利をほぼ不動のものにしても、しかし、種市は自らに「まだ0-0だぞ」と言い聞かせながらマウンド上で右腕を振り続けた。 「いつも完投したいと思って投げているんですけど、点を取ってもらって(ピッチングが)緩むのはよくないと思っていたので」 メヒアこそ四球で歩かせたものの、山川をショートフライ、外崎をピッチャーゴロ、スパンジェンバーグをファーストゴロと15球で片づけた7回裏のピッチングが直後の大量点を導き、先発に定着した昨年4月から待ち焦がれてきた完封勝利をも手繰り寄せた。 今シーズンは土曜日に6度先発。そのすべてで6回以上を投げ自責点3以内に抑える、いわゆるクオリティースタートを達成している。3度目の先発だった今月4日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦こそ6回3失点で敗れたものの、同11日の西武戦からは3連勝。先発した6試合におけるロッテの成績も5勝1敗と勝ち越すなど、ローテーションの中心を担いつつある。