なぜロッテは若手育成優先の方針を覆し元阪神の鳥谷敬を電撃獲得したのか…2つの理由と交流戦安打王データ
千葉ロッテは10日、昨季限りで阪神を退団した鳥谷敬(38)の入団を発表した。背番号は「00」。契約は1年で推定年俸は1軍最低保証の1600万円となる。鳥谷は、今日11日に新たな本拠地となるZOZOマリンを訪れチーム関係者に挨拶、報道陣のインタビューに応じる。ロッテは、なぜこのタイミングで鳥谷を獲得したのか。そして、どう起用する構想なのか。 ロッテの鳥谷獲得が正式発表になったのが、10日の午後12時前。編成のトップ、松本尚樹球団本部長が、獲得に至った2つの理由を説明した。 「キャンプ、練習試合、オープン戦と戦ってきた中で、内野手の厚みを増したい、そこが補強ポイントだと思っていた。1年の長いシーズンを戦う上でチームの厚みが必要で、オフから補強してきたが、足りないところは内野手の厚み。それが最大の理由」 一つ目の理由は、内野手の緊急補強だ。 FAでユーティリティプレーヤーとして一塁、二塁、三塁、DHで活躍していた鈴木大地が抜け、そこがチームの補強ポイントであったが、当初、フロントは、若手育成を優先して鳥谷の獲得に消極的だった。井口資仁監督も、この日、「(鳥谷についての)話を球団にはしていない」と、内幕を明かしたが、現役時代から沖縄で合同自主トレを行うなど、ホットラインのある鳥谷の獲得をあえてフロントに訴えなかったのは、若手育成の必要性を感じていたからだ。 だが、キャンプ、オープン戦を通じて、その構想は頓挫した。三塁、一塁を守る3年目の大器、安田尚憲が、ここまでオープン戦で結果を残せておらず、ドラフト5位の福田光輝、楽天を戦力外になった西巻賢二らの新戦力も未知数。バックアップメンバーの三木亮は、昨年10月に右膝を手術、平沢大河も右肘の違和感でキャンプは2軍スタートで出遅れた。内野手の構想としては、一塁・井上晴哉、二塁・中村奨吾、ショート・藤岡裕大、三塁・レアードとなるが、昨年は、井上が、不調に陥り、藤岡も故障で81試合出場に留まるなど、シーズンを通じての不安要素は残っていて、内野は1枚、2枚足りなかった。