「トンネルの先に光は見えている」尾身会長が語る検査とワクチン
プロとして「言うべきは言う」
中止を求める声も出始めている東京五輪をめぐっては、専門家としての矜持も口にした。 尾身会長は国会での質問に対しては自身の考えを述べている。4月28日には「(大会関係者が)感染のレベルや医療のひっ迫の状況などを踏まえて、オリパラ(五輪とパラリンピック)に関わる議論をしっかりとやるべき時期に来た」と答弁。5月13日には、大会関係者が開催可否を最終判断する際には、(1)選手以外の大会関係者の会場外の行動(2)期間中の会場外の人流や接触機会の増加(3)医療体制に期間中どの程度負荷がかかるか――などのリスク評価が必要だと答えた。 そうした答弁について尾身会長はこう語った。 「国会のような国権の最高機関で質問された時に『私が判断すべきではない』と言い続けるのがプロフェッショナルとしてどうか、というのが私の中であって。感染症のプロとしては当然言うべきことが(あれば)言う必要がある。どれだけ医療に負荷がかかるのか、かからないのかということを(リスク評価を)やってくださいと申し上げるのは私の責任だと思う」 「(五輪は)国際的な大イベント。開催に責任を持っている人がそういうことを考えないわけがないと思うので、ある程度の時期が来たら考えを示すことが求められるのではないかと、長く(感染症に)携わった者として、務めじゃないかと思って発言した」