無観客で開幕した韓国Kリーグから何を学べるか?
隣国から何を学ぶべきか。世界中を襲った新型コロナウイルスの影響を受けて、ほぼすべての国がサッカーの公式戦開催を中断させているなかで、韓国Kリーグが2020シーズンをスタートさせた。 Kリーグ1部を3連覇中の全北現代モータースと、昨シーズンの韓国FAカップ覇者の水原三星ブルーウィングスが前者の本拠地、全州ワールドカップ競技場で8日夜に対峙。強豪同士による一戦を先行させた開幕節は、9日にはKリーグ2部を含めた5試合が韓国各地で行われた。 今シーズンのKリーグは2月29日に開幕する予定だった。しかし、1日あたり900人を超える感染者が確認されていた状況を受けて、開幕5日前の2月24日に延期が決定。1部と2部を合わせて22を数えるクラブは、練習試合の自粛や外部との接触を極力控える自宅待機など、韓国プロサッカー連盟が定めたマニュアルのもとで選手やスタッフ、クラブ関係者の感染防止に努めてきた。 風向きが大きく変わったのは4月19日だった。PCR検査の実施を徹底して拡大させてきた文在寅大統領の方針が奏功し、国内で確認された新規感染者が8人と約2カ月ぶりにひと桁にまで減少した前日18日の国内状況を受けて、政府が無観客試合での野外スポーツ開催を容認。24日に開催された韓国プロサッカー連盟理事会で、69日遅れで開幕を迎えることが決まった。 開幕するための条件として【1】期限を設けずに無観客で行う【2】選手を含めてクラブ内に感染者が出た場合は、そのクラブを2週間プレー禁止とした上で試合を延期【3】複数のクラブから感染者が出た場合はリーグ戦を中断させ、事態の推移次第で打ち切る――の3つが定められた。 さらに選手たちに負担をかける過密日程を回避するため、今シーズン限定で大会方式を変更した。Kリーグ1部は12クラブが3回戦総当たりのリーグ戦を行い、上位と下位の6クラブずつが1回戦総当たりの順位決定リーグを実施してきた。1クラブあたり年間38試合を戦う方式が、今シーズンは2回戦総当たりのリーグ戦と順位決定リーグの合計27試合となった。