予選Q3での走行をめぐり、裁定に影響を与えようとしたラッセルをフェルスタッペンが批判「敬意をすべて失った」
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、メルセデスのドライバーであるジョージ・ラッセルに対して「一切の尊敬を失った」と激しく批判した。 【写真】2024年F1第23戦カタールGP スタートでトップに立ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル) ふたりはF1第23戦カタールGPの予選での走行をめぐって衝突し、フェルスタッペンは、スチュワードとのミーティングでラッセルがフェルスタッペンに不利益になるように出来事を誇張したと主張し、ラッセルの行動に激しい怒りを見せた。 この論争は、フェルスタッペンが予選Q3の最終ラップのターン12で不必要に低速で走行したとされ、ペナルティを受けたことから始まった。ラッセルは、最後のフライングラップの前に前方のマシンとのギャップを作ろうとしていたフェルスタッペンの後ろで、回避行動を取らなければならなかった。 スチュワードはフェルスタッペンにグリッド降格ペナルティを科し、4度の世界チャンピオンをポールポジションから2番手に降格したが、この決定にフェルスタッペンは激怒した。日曜日にフェルスタッペンは、ペナルティとスチュワードの状況対応に対する不満を率直に語った。 「自分がペナルティを受けたなんて信じられなかった。でもある意味では、僕は自分が住んでいる世界にもう驚かなくなっていた。満足はしていないが、どこかの時点では、気持ちを切り替えなければならない」 現世界チャンピオンのフェルスタッペンは、誠意を持って行動し、準備が遅れている他のドライバーの邪魔にならないようにしていたと主張した。しかしながら、彼はスポーツマンシップを尊重したことで罰せられたと感じた。 「あんなことが起きたのは、あまり楽しいことではなかった。なぜなら、遅いラップで誰かがペナルティを受けたのは初めてだと思うからだ。実際のところ、僕はただよい行いをしようとしただけだ。そうするべきではなかったのかもしれないね。ラップの準備をするドライバーたちの邪魔をしたくなかった。そうしてよい行動をすることで、実際はペナルティを受けることになる」 フェルスタッペンは、スチュワードの会議は不満の残るもので、自分の意見が無視されたと主張した。 「まるでレンガの壁に向かって話しているような気がしたので、どんな理由であれ、できることはあまりなかった」 「僕の周りでも、タイヤ温度が下がるなど、さまざまな状況が起こっていたのは明らかだった。だから、彼らはとにかくプッシュしなければならなかった。最終コーナーで大騒ぎになって、誰もラップを走れないような状況にはしたくなかったんだ」 フェルスタッペンは、ラッセルに対して最も厳しい批判を最後に取っておき、彼がスチュワードの決定に故意に影響を与えようとしたと非難した。 「スチュワードルームに座っていたとき、そこで起きていることにとても驚いた。正直言ってとても残念だ。ここにいる僕たち全員は、お互いをとても尊敬し合っていると思っているからだ」とフェルスタッペンは語った。 「僕はこれまでの人生やキャリアのなかで、レースで戦った人たちと何度もそのミーティングルームにいた。そして、僕は誰かがそこまでひどく誰かを騙そうとするのを見たことがない。僕は、敬意をすべて失った」 レッドブルF1のチーム代表クリスチャン・ホーナーによると、日曜日のレーススタートでのフェルスタッペンの走りは好調だったという。 「彼はジョージと、昨日スチュワードの前で起きた展開に腹を立てていた。そして彼はそこからの刺激をレース注ぎ込んだ」とホーナーは述べた。 伝えられるところによると、この敵意はレース前のドライバーズパレードにも波及し、フェルスタッペンはそこで自らの意図をはっきりと示したという。 「レース前、マックスはジョージに第1コーナーで追い抜くつもりだと伝えたと言われている」 「彼は素晴らしいスタートを切った。そしてスタートの“1速、2速、3速”の段階全体で、ターン1をトップで抜け出せるのは彼だけになるはずだった」 ホーナーは、フェルスタッペンの意志の強さは目に見えるようだったと主張した。 「ジョージもそれを感じていたのがわかっただろう。トレーラーに乗ってコースを周回しているとき、ふたりの間に少々緊張があったと思う。マックスは昨日ちょっとやりすぎたと感じていたようだ」 フェルスタッペンのコメントは、これまでは尊敬するライバルと捉えていたラッセルとの関係に大きな緊張が生じていることを示唆している。カタールの余波が緊張を増すなか、彼らの次のコース上での対戦はさらに注目を集めることが予想される。 フェルスタッペンにとって、このエピソードはスポーツにおける公平性の欠如に対する彼のフラストレーションを浮き彫りにするものだ。一方ラッセルにとっては、激しいライバル関係の始まりを示すものかもしれない。 [オートスポーツweb 2024年12月03日]