田中将大の獲得に各球団が消極的で大投手にまさかの現役続行危機 「村田修一と重なる」の声も
日本野球機構(NPB)が2日、保留選手名簿から外れた自由契約選手を公示した。今季で3年契約を終えた中日のライデル・マルティネス、最優秀中継ぎ・最多セーブのタイトルホルダーで、今季限りで引退する西武の増田達至らの名前とともに、楽天を退団して他球団で現役続行を目指すことを表明した田中将大の名前が掲載された。 【写真】「2億円」が「400万円」に急降下 球史に残る“大減俸”を味わった選手がこちら 楽天を退団する際は複数球団の争奪戦になるとみられたが、雲行きが怪しくなっている。西武、阪神など先発陣がそろっている球団は獲得レースに参戦しない意向を示している。 3年連続最下位に低迷した中日も、井上一樹新監督が「ちょっと薄いかなという感じです」と獲得の可能性が低いことを示唆した。 「中日は先発投手が補強ポイントですが、田中は昨年1試合しか投げていない。大野雄大、涌井秀章、松葉貴大とベテランがそろっている中で獲得の意義を見出だすのが難しい。昨オフに獲得したベテランの中田翔、中島宏之が思うような結果を残せなかったことも影響していると思います。ビッグネームを補強しても稼働しなければ、若手の出場機会を失うデメリットの方が大きくなってしまう」(中日を取材するスポーツ紙記者) 中日は18年に、ソフトバンクで前年1軍登板なしに終わった松坂大輔をテスト入団で獲得した経緯がある。松坂はメジャーから日本球界に復帰し、ソフトバンクで過ごした3年間で1試合登板のみに終わったが、中日に移籍した初年に6勝をマーク。カムバック賞を受賞した。田中も境遇が重なる部分があるが、どうだろうか。 「松坂が中日に入団した時は、当時監督だった森繁和さんが手を差し伸べました。西武では選手とコーチの間柄で、結びつきが強い。球団フロントに西武で松坂が兄貴分と慕ったデニー友利さんがいたことも大きかった。『松坂を獲得しても戦力にならない』という声もありましたが、奮闘して若手のお手本にもなりました。田中の場合はそこまで太いパイプがない。若手の一本立ちが重要課題であるチーム事情を考えると、田中の獲得に動く可能性は低いと思います」(スポーツ紙デスク) 獲得の有力候補とみられていたヤクルトも慎重だ。FA権を行使したソフトバンクの石川柊太の獲得レースに参戦するなど先発陣のコマ不足を解消するために、外部補強に動いているが、田中に関しては状況が異なる。小川淳司GMは「調査という段階で、獲得に向けた調査をしている段階ではない」と報道陣に説明したという。