「依存症は回復できる病気です」81歳・アルコール依存症経験者の執念がつくる“脱強制”の回復プログラム #病とともに
リカバリーサポーターの一人で作業療法士の藤田純司さん(55)は、AFG(アルコール・ファースト・グループ)というプログラムを担当している。 「依存症の人は、徹底的に『自分が悪い』と思っている。でも、丁寧に聞いていくと、誰もが必ずよいところを持っています。そういうところから入って、『自分は幸せになっていいんだ』『自分は幸せになれるんだ』と感じてもらう。だから、このプログラムでは、みんな笑っています」
薬物依存症回復者のサポーターもいる。イケさん、67歳。タクシー運転手として働きながら、自身の経験に基づいたプログラムを手掛ける。 「学生の頃、ビートルズの影響でマリフアナに興味を持ち、薬物依存症で苦しみました。回復は人と人との出会いから始まります。YRCは他の施設と違い、回復のきっかけをメンバーさんに提供してくれる唯一の施設だと思います」
81歳になった城間さんは言う。 「私は、自分は依存症になるべくして生まれたのだと信じています。そして、酒に負けたと心底から認めたときに回復が始まりました。回復に終わりはないので、死ぬまで回復の取り組みを続けます」 「人生の集大成」に向けて走り続ける城間さんは、道の先に何を見ているのだろうか。 「リカバリー・コミュニティーセンターには自助グループや回復施設にはない可能性があると信じるようになりました。その可能性は、当初考えていた以上に深く、広い。こういう場所が日本のあちこちで誕生することを願っています」 --- 「#病とともに」はYahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。人生100年時代となり、病気とともに人生を歩んでいくことが、より身近になりつつあります。また、これまで知られていなかったつらさへの理解が広がるなど、病を巡る環境や価値観は日々変化しています。体験談や解説などを発信することで、前向きに日々を過ごしていくためのヒントを、ユーザーとともに考えます。