阪神が近本の”とんでも悪送球”でG倒失敗し3位転落…矢野監督が名指しで選手批判をしたが本当の敗因はどこにあるのか?
阪神が7日、甲子園で行われた巨人戦に2-3と惜敗、3位に転落して首位巨人とのゲーム差は「8.5」に広がった。敗因のひとつは守りのミス。近本光司の本塁への悪送球で先制され、木浪聖也のエラーが巨人の追加点につながった。試合後、矢野燿大監督は、「近本で負けた」と名指しで叱咤激励したが、これでチーム失策数は両リーグワーストを更新する「51」。昨年から続いている守備力アップの課題を克服できておらず、そもそものチームマネジメント力を疑問視する声もある。阪神は、再度、巨人に挑戦する資格をキープすることができるのだろうか。
近本のミスでタッチアップ2失点
まさかの悲劇に甲子園が静まり返った。 0-0で迎えた3回一死満塁。巨人の松原がセンター方向へ打ち上げた打球は浅かった。三塁走者の大城は、一度タッチアップのスタートを切ったが、数歩であきらめストップした。だが、その状況を把握していなかった近本はバックホーム。雨は降っていなかったが、なぜか滑ったかのように手元が狂った。その送球は大きな弧を描き、キャッチャー梅野の遥か頭上をこえていき、バックネットにワンバウンドで当たった。とんでもない“大悪送球”である。さらにそれをカバーしなければならない高橋もダイレクトで捕球できずにクッションボールを処理することになり、大城が余裕で先制のホームを駆け抜けた。 近本の判断ミスと準備不足。ここは内野のカットマンに返すだけで良かったのだ。中5日で巨人戦に合わせてマウンドに上がった高橋は、コントロールに苦しみながらもメルセデスとの投手戦を演じていたが、緊迫の糸が切れた。 守りのミスはまだ続く。 続く4回だ。先頭の岡本の打球はショート正面へ。だが、木浪の足が止まっていた。打球を待つ間にバウンドが変わり後ろへ弾いた。ミスが手痛い失点につながるのが今季の阪神である。一死から中島に右中間への二塁打を許し二、三塁となって高橋は、大城を3回と同じような浅いセンターフライに打ち取った。犠牲フライとしては難しい打球だったが、三塁の岡本は躊躇せずタッチアップを仕掛けた。近本の弱肩と3回のミスの影響を考慮しての判断だろう。近本は今度は送球のコントロールを意識し過ぎたのか…ボールに勢いのないバックホームは、ワンバウンド、ツーバウンド、スリーバウンドとなって梅野のミットをすり抜けていった。近本はダイレクト送球ではなくカットマンを使った中継プレーを選択すべきだったのだろう。