阪神が東京ドームで巨人に勝てない理由…サンズ、大山、ボーアの不振だけではない”際のプレー”の軽さ
阪神が19日、東京ドームで行われた巨人戦に0-8の完敗、2試合連続の完封負けで、27イニング連続無得点となり4位に転落した。打撃不振が深刻だが、それ以上に問題なのは、“際”のプレーの「軽さ」だろう。6回のチャンスに上本が盗塁死、7回には大山のタッチが甘く、増田大の三盗を許して大量失点につながっている。一方の巨人は、メルセデスの緊急降板のアクシデントを6人のリレーでつないでカバー。初回にウィーラーが好走塁を見せるなど“際”に強かった。阪神と巨人のゲーム差は今季最大の「7.5」に広がった。
無抵抗の敗戦
まさに矢野監督の試合後コメントのまま…無抵抗で敗れた。 2日連続で東京ドームのスコアボードに並べたゼロ、ゼロ、ゼロ…。 巨人との3連戦を前に元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏が、「阪神はサンズ、大山、ボーアの3人を抑えられたら、ガタっと得点能力が落ちる。サカマルが不振でも他の誰かがカバーする巨人との差がそこにある」と、指摘していたが、その通りの展開となってしまった。16日の広島戦の1回に2点を得点して以来、これで27イニング無得点。原因はサンズ、大山、ボーアのクリーンナップの不振に尽きる。 何も阪神はまったくのノーガードでKO負けしたわけではない。得点圏には走者を進めた。矢野監督が左腕のメルセデス対策として2番で起用した上本は機能した。立ち上がりに一死から左中間を真っ二つに割る二塁打で出塁。続くサンズが四球を選び、一死一、二塁の先制チャンスを作った。だが、4番の大山が外角のツーシームに完全にタイミングを狂わされ、セカンド併殺打に終わった。 阪神が流れを取り戻すきっかけもあった。2回が終わった時点でメルセデスが、左肘に異常を訴えマウンドに上がってこないアクシデントが発生したのである。田中豊の緊急登板となり、4回には大山が、その田中から実に21打席ぶりのヒットとなる二塁打をレフト線に放った。しかし、ボーアがブレーキ。高めの甘いスライダーをこねくりまわして一塁ゴロ。明らかに力んでいた。