阪神が犯した2つの防げるミス…”矢野野球”で7.5差に広がった巨人を追えるのか
阪神が2日、甲子園で行われたヤクルト戦に2-3の惜敗、手痛い星を落とした。7回にジェリー・サンズの3試合連続となる14号2ランで、一度は同点に追いついたが延長戦の末、敗れた。失点につながった木浪聖也のエラー、決勝犠飛を許した馬場皐輔の山田哲人への配球など防げるはずの2つのミスが響いた。連勝は3でストップ、4連勝の巨人とのゲーム差は「7.5」に広がった。4日からは巨人との4連戦を控えているが、最悪6日にも自力Vが消滅する。
山田哲人への配球ミス
負けずに済んだ試合だった。 2-2の同点で迎えた延長10回に阪神は5番手として馬場をマウンドに送った。先発がガルシアだったため、外国人枠の関係でガンケルをベンチに入れることができず、13連戦を考えると、3連投から1日空いて、前日も登板していた岩貞祐太も同点では使いにくい。苦しい投手事情の中での馬場の起用だったが、用心すべき先頭打者の宮本丈にヒットを許した。 一死二、三塁とされて、バッターは3回にもタイムリーを放ち、8試合連続安打と調子が上向いている山田である。 馬場は初球にフォークで空振りを奪い、2球目は、高めのつり球でファウルを打たせ、カウント0-2と追い込んだ。1点もやれない状況で、阪神バッテリーが求める結果は、三振か、内野フライ、浅い外野フライである。前進守備を敷いていたので最悪、内野ゴロでも良かった。もうフォークか、カットボールのボールゾーンへの3連投で攻める選択肢が、最善だったはずだが、3球目のカットボールを引っ張られ、レフト線ギリギリに鋭いファウルを打たれたことで、馬場ー梅野のバッテリーに迷いが生じた。 山田は、この間の心境を試合後に、こう語っている。 「追い込まれるまでは、しっかりとボールを捉えてヒットを打つつもりで打席に入った。追い込まれてしまったので、カットが来ても、フォークが来ても、真っすぐが来ても、対応できるように食らいついていった」 追い込まれるまではフルスイング。だが、追い込まれてからは、コンパクトに対応しようという意識に変わっていたのである。 外角に1球外した馬場はフォークで勝負にいった。だが、これもファウルにされた。推測だが、このファウルで、変化球狙いであることを察知した梅野は、裏をかいたのだろう。カウント1-2から6球目に要求したのが、高めのつり球。148キロのストレートが真ん中高めへ。外野フライには、絶好のボールだった。山田は、それをセンター後方に深々と運んだ。 「厳しい状況だったが、なんとかバットに当てることだけを考えて、ほとんどフォークを意識していたが、高めの真っすぐが来たので、あそこは反応で犠牲フライを打つことができた。ランナーを返すバッティングができたので100点満点だと思う」 価値ある決勝犠飛を放った山田は、そう振り返った。