阪神が近本の”とんでも悪送球”でG倒失敗し3位転落…矢野監督が名指しで選手批判をしたが本当の敗因はどこにあるのか?
高橋は5回にも先頭の坂本に出塁を許し、岡本の左中間を破るタイムリーツーベースで3失点目。スタメン復帰した糸原の9回のソロ本塁打などで1点差まで詰め寄ったが、守乱による失点が最後まで響き「絶対に負けられない」首位決戦を1勝2敗で負け越すことになった。 試合後、テレビインタビューに答えた矢野監督は辛辣なコメントを残した。 「今日は近本で負けたかなと思っています。ただ終わったことは変えられない、これからは変えられると、(ずっと)選手たちに言っています。近本自身が成長して、近本自身が残り試合でチームをどう勝たせていくか。そういうことが求められる」 近本を名指しで批判したのだ。 矢野監督は7回の守りから代打に出した中谷に代え近本をベンチに下げていた。 だが、これで今季のチーム失策数は両リーグでワーストの「51」となった。この試合の敗因のひとつは、近本のボーンヘッドだったが、巨人に「8.5」差も広げられた原因は、昨年も両リーグワーストの「102」の失策を犯した課題の改善ができていなかったチームのマネジメントにある。2年連続の”守乱”は、指揮官の無策を追求されても仕方あるまい。 ではエラーを減らすにはどうすればいいのか? 元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏は、「答えは簡単です」との回答を寄越してくれた。 「エラーをしている選手を変えるか、教えているコーチを変えるか、このふたつしかないでしょう。では、エラーをしている選手をガラっと守りのいい選手に変えられるのか? 今の阪神で、それが難しいのであれば、なぜエラーが起きたかの分析をひとつひとつ細かくして教える側の問題を改善するしかない。グラブの使い方なのか、基本姿勢なのか、足の使い方なのか、準備の仕方なのか。ただ、これは練習時間の限られるシーズンが始まってしまうともう難しい。秋季キャンプ、自主トレ、春季キャンプと、守備の基本動作、応用練習を繰り返し、反復練習して個々の技術力をアップしていくしかありません」 里崎氏は現役時代、プロのキャッチャーの基本技術をロッテの2軍バッテリーコーチだった山中潔氏(現在日ハム2軍育成コーチ)に徹底的に教えこまれ、それが現役引退まで里崎氏の守備技術を支えることになった。里崎氏は、「阪神では、そういう作業を一人ひとりの選手ができていないのではないか」と指摘した。 昨年「102」の失策を記録したチームの1軍の内野守備走塁コーチは、久慈照嘉と藤本敦士の2人、外野守備走塁コーチは筒井壮だったが、オフの人事で、ここに手をつけることはせず、今季の内外野守備走塁コーチは、この3人のまま。教える人が同じでは何も変わらない。まして、沖縄春季キャンプでは打撃力のアップには目がいくばかりでチーム全体として守備への意識が気薄だった。守備力の向上が課題であることがわかっていながら、そこに具体的な手を打ってこなかったフロント、現場トップの責任も大きい。