手入れされた遊具。照井さん曰く、随時更新されているのだとか（写真撮影／片山貴博）

今もなおダストシュート機能が健在する団地もあるそうですが、清掃の大変さや分別収集などの近年の流れもあり、ほとんどがその役目を終えています。そういう昔の設備の名残を探すのも面白いかもしれません。 歩いているとそこかしこにあるのが公園や遊具などの憩いのスペース。今や街の中で縮小傾向にある公園ですが、神代団地の中には設備更新された遊具や、ベンチ、憩いのスペースにあふれています。

（写真撮影／片山貴博）

随所にベンチがあり、この日も近所のママさんやお年寄りが暑い中でも集っていた。

なかなかお目にかかることのない壁打ちボード。テニスや野球、サッカーなどで活用されている（写真撮影／片山貴博）

「団地は、こうした休憩スペースにゆとりを持たせる計画を立てているのと、遊具がとても充実しています。神代団地には、通称・すりばち公園や、壁打ちボードもたくさんあるんです。今の時代ではなかなかつくれない豊かなオープンスペースがあるのは団地ならでは、ですよね」（照井さん）

（写真撮影／片山貴博）

通称・すりばち公園。かなりの傾斜があるが、子どもたちはスイスイと登っては降りて、縦横無尽にかけまわる。

照井さんが推す団地　全国編

習志野台団地の遊歩道。遮るものが何もなく、歩道がゆったりと確保されている。植栽の配置も計算されている（画像提供／照井啓太さん）

ところで、お住まいの神代団地以外で、照井さんの推し団地はどこでしょうか。 ＜歩いていて美しい団地＞ ◆千葉県船橋市　習志野台団地 「新京成電鉄・東葉高速鉄道『北習志野』駅の近くにある団地です。遊歩道がすごく綺麗で、私が一番好きな遊歩道なんです。綺麗な芝生がぶわあっと広がっていて、ところどころに芝桜が咲いていて、まるで夢のような空間です。団地の設計は担当者の個性が出るのですが、当時の担当者のセンスだったんでしょうね。訪れるたびに心地よさを感じます」

（画像提供／照井啓太さん）

手入れされた庭が美しい。

花見川団地の商店街。減少傾向だった店舗も近年増え始め、日中の人出が多く活気を感じる（写真撮影／片山貴博）

＜商店街に見応えがある団地＞ ◆千葉県千葉市　花見川団地 「商店街や人が集まる空間が面白いなと思うのは、花見川団地です。賃貸と分譲あわせて約7200世帯の大きな団地なのですが、その敷地の中央にドーンと1カ所のみ商店街があるんです。これだけ大きな団地だと普通、2カ所ぐらいサブセンターとして、商店街をつくりそうなものなのですが、あえてそれを設けていないんですよね。商店街を中心に街が成り立っている感じが面白いです。中心にある商店街は、無印良品とリノベーション事業を行い、にぎわいを取り戻してきていますよ」