団地を愛しすぎた男「公団ウォーカー」管理人が選ぶ全国の”推し団地”! 団地さんぽで”ベランダで見分ける居室スペック””時代の遺物ダストシュート”など見どころも発見
時を同じくして、居住スペースの拡充の声に応えるべく改築されたのが増築棟です。ここは既存の団地を改修して、部屋を増やした建物。それまでは基本的に2DKか3DKで、広さも39平米~50平米でしたが、増築後は1部屋増え、広さも13平米~15平米大きくなりました。 「増築された居室かどうか判断する時には、各室のベランダを見ると違いがわかるから、そういう目で建物を観察してみてくださいね」と、照井さんはこっそり秘訣を教えてくれました。
「建物の右3分の1の部分が増築部分」と照井さん。よく見ると屋根の部分が途切れており、途切れた部分にエキスパンションジョイント(構造の異なる複数の建物を連結する際に用いられる手法・工法)が入っていることがわかる。
増築棟の入居時の写真。キッチンも洗面所も最新の設備に更新されていてとても綺麗。
結婚を機に神代団地の2DKに住み始めた照井さんは、子どもが大きくなってきたことから、広くてきれいな増築棟(3DK)の空き部屋を虎視眈々と狙い続け、2020年ついにゲット!団地内で引越しして今も住み続けています。
増築棟の部屋には出窓(右)もついていておしゃれ。
居室ももちろんですが、最近は共用部のリニューアルもされているのだとか。 「たとえば築古の団地は、階段がなくて悩ましいものですが、最近はエレベーターを増設している団地もあるんです。ここ神代団地にもエレベーター付きの棟がありますよ」とのこと。 「東京の多摩エリアだと、例えば町田市にある鶴川団地や、多摩市にある多摩ニュータウン永山団地にも付いています」(照井さん)
階段から見たエレベーター乗り場の様子。実際には結節部(階段の踊り場部分)に着くので、例えば3階に行きたい場合は、2階から3階に上る階段の踊り場部分に到着し、残り半階分の階段を上る必要がある。
「ここにあるのがダストシュートボックスの跡ですね。ダストシュートは便利だったんですよ。ここからゴミを投げ入れると、階下までシューっと落ち、集積されて、ごみ収集の人がまとめて持っていくという仕組みです。便利な設備ではありますが、神代団地では衛生上の懸念から、ほとんど使われることがなく封鎖されたそうです」(照井さん)
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