団地を愛しすぎた男「公団ウォーカー」管理人が選ぶ全国の”推し団地”! 団地さんぽで”ベランダで見分ける居室スペック””時代の遺物ダストシュート”など見どころも発見
日本の団地の歴史の始まりは1955年ごろ。戦後の住宅供給が不足していた時に、”新しい住宅モデルを”と国民に提示し続けたのが、当時の日本住宅公団です(現在はUR都市機構)。特に関東地方では、建物の間取りや住宅設備はもちろん、建物や道路の配置にも工夫を重ね、人々が暮らし、つながる、全く新しいまちをつくり上げてきました。 「たとえば、商店街の配置や団地内の植栽計画一つとっても、当時の日本には『これが正解』という勝ちパターンが存在しません。海外で生まれた近隣住区論を基礎にしつつ、地形や人の流れを読み解くことで、各地に個性的なまち(団地)が誕生しました」(照井さん) 一見、画一的なように思える団地ですが、その街や土地、人に合わせてトライアルすることが異なるのは面白いですよね。
ガラス使いがおしゃれな集会室。途中で増設をしたそうだ。室内の壁はなんとパープルのカラーで塗装されていてとても華やか。
神代団地を散歩しながら面白ポイント探し
団地、すごいんだぞ!という話をひとしきり聞いてから、照井さんと一緒に、お住まいの神代団地内を見学していきます。神代団地も、リニューアル工事をしている部屋だったり、されていない部屋だったり。 なにしろ全部で約2000戸あるので、様相もさまざまです。歩いて見ていくうちに違いがわかりましたが、いろいろな形と階層の建物が存在しています。 団地というと4・5階建てくらいのシンプルな真四角のイメージでしたが、最近の新築分譲マンションのような見た目の建物も。 「ああ、59号棟はタイルが印象的ですよね。これは団地内で一番最後に建てられた建物なんですよ。 もともとこの場所には団地専用の汚水処理場がありましたが、市の下水道が整備されたため役目を終え、しばらく更地になっていました。バブル時代の1987年に、この敷地を使って分譲マンションのような高層建物を建てたんです。ここだけ賃料がやや高めですが、とても人気です。募集が出てもすぐに満室になりますね」(照井さん)
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