算数で習得できる力は、社会にでても役に立つ。中学受験塾 SAPIXが教える、図形問題に必要なこと。ひらめきで分かるのは、難関中学合格者でも1%もいない
「うちの子、とくに算数が苦手で……」「私自身、算数が苦手だから、子どもも嫌いになってしまうのでは……」など、親子ともに算数への苦手意識を持っている家庭もあるのではないでしょうか。教育ライターの佐藤智さんは、このような悩みの声を受けて、難関中学受験で高い合格実績を誇る塾「SAPIX小学部」で算数を担当する先生を取材しました。今回は、佐藤さんの著書『10万人以上を指導した中学受験塾 SAPIXだから知っている算数のできる子が家でやっていること』から、SAPIX流・算数を嫌いにさせないメソッドを一部ご紹介します。 【図】図形問題を解きやすくする「自分が知っている図形」を見つける方法 * * * * * * * ◆図形問題を解くのに、センスは必要? センス不要。基本パターンを見つけて解く 「図形を解くセンスがないんです」、そんな言葉をよく耳にします。 算数の中でもとくに「センスが必要」と思われがちなのが、図形のジャンルです。 しかし、図形問題をひらめきでパパッと解いてしまう子は、筑波大学附属駒場中学校や灘中学校など難関校といわれる中学に入学する子のうち1%もいないといいます。つまり、ほとんどいない、特殊な才能を持った子なのです。 芸術分野でもスポーツ分野でも、他の子より突出して秀でた才能を持った子がいるのは事実です。 とはいえ、当然ながら小学生が習う図形の問題が、そういった天才的な子どもたちばかりをターゲットにしているはずがありません。特殊なセンスがないと、図形問題は解けないということは決してないのです。
◆図形問題ができる子の解き方 図形問題はセンスで解くのではなく、「きちんと自分がわかる図形まで引き寄せる」ことが重要です。 小学校中学年や高学年になると、補助線を引いて図形をわけて解く方法が増えます。あるいは、相似形を利用して解く方法もでてきます。同じ相似形を使って解く問題でも、線を伸ばして相似形をつくるといったケースもありますね。 そうした基本的な図形問題の解き方を理解しつつ、補助線を引くなどして自分の見知った図形をつくることができれば、図形問題は決して怖くありません。 図形問題ができる子は、センスで解いているわけではなく、この基本パターンを知って、それを使って思考しているのです。
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