歯のインプラント治療の年齢・性別による違いは? 特別な考慮事項ってあるの?
年代別(若年者と高齢者)でみる、インプラント治療を受ける際のポイントと注意点
編集部: 若年者がインプラント治療を受ける際、どのようなことに注意したらよいでしょうか? 小松先生: 若い方がインプラント治療を受ける際は、長期的な視点に立ったメンテナンスの重要性を理解することが大切です。例えば、車も5000kmに1回オイル交換をしている車とそうでない車とでは、明らかに差が出てしまいます。 これと同様に、インプラントは一生ものではなく、治療後の適切なケアとメンテナンスが寿命を左右することは、十分に理解したうえで治療に臨んでいただきたいです。 編集部: そのほかに、若年者がインプラント治療に際して考慮すべき点はありますか? 小松先生: 若い方特有の課題としては、ライフステージの変化にともなう転居や移住の可能性について考えておく必要があります。仕事や結婚、親の介護、定年後の移住など、若い方は今後、様々な理由で引っ越しを余儀なくされることも少なくありません。 そのため、最初に治療を受けた歯科医院で継続的なメンテナンスが受けられなくなる可能性があります。 編集部: そのような状況に対して、何か良いアドバイスがあれば教えてください。 小松先生: 将来的に転院が予想される場合は、転居後もメンテナンスが継続できるサポート体制の整った歯科医院を選ぶことをおすすめします。例えば、歯科医院のなかには第三者機関による保証制度を導入している医院があります。 この制度を利用すれば、転院が必要な場合でも認定歯科医院であれば全国どこでも保証が有効ですので、転居後もフォローアップが受けやすいでしょう。このようなサポート体制が充実した歯科医院で、治療を受けることも方法の1つだと思います。 編集部: では、高齢者がインプラント治療を受ける場合は、どのような点に注意したらよいでしょうか? 小松先生: 高齢者の場合は、加齢にともなう免疫力の低下により感染のリスクが高まる点や、術後の回復に時間がかかる点に注意が必要です。 ただ、若い方と異なり、ご高齢の方の場合は生活基盤が安定しているので、治療を受けた歯科医院でメンテナンスを継続できるという利点があります。そのような意味において、高齢者の場合は「かかりつけ歯科医」の役割が非常に重要になってくるでしょう。 編集部: 高齢の方がインプラント治療を受ける際、どのような歯科医院を選ぶとよいでしょうか? 小松先生: ご高齢の方には、お住まいの地域に密着した歯科医院をおすすめします。具体的には、お口だけでなく全身の状態も把握し、必要に応じて医科と連携が取れる体制が整っている歯科医院が望ましいでしょう。 患者さんの生活環境や健康状態を総合的に把握し、長期的なケアが提供できる歯科医院をぜひ選んでいただきたいと思います。