歯のインプラント治療の年齢・性別による違いは? 特別な考慮事項ってあるの?
インプラント治療の患者層は、若くして歯を失った方から高齢になって治療を検討される方まで、その年齢や性別も多岐にわたります。年齢や性別の違いによってインプラント治療で気をつけたいこと、注意すべきことはあるのでしょうか? 【イラスト解説】マウスウォッシュの効果や正しい選び方・使い方、注意点 そこで若年者と高齢者、そして男女別でみるインプラント治療の注意点や考慮事項などを、まつのき歯科間々田クリニックの小松先生に解説してもらいました。
年齢、性別の違いでインプラント治療はどう変わる?
編集部: 年齢や性別で、インプラント治療のアプローチの仕方に何か違いはあるのでしょうか? 小松先生: 基本的に、年齢や性別でアプローチの仕方が大きく変わることはありません。年齢に関していうと、全身的に健康であれば90歳に近い方でも治療は可能ですし、反対に50代や60代でも、全身の状態によっては治療できない場合もあります。 ただ、性別に関しては女性の場合、ホルモンバランスの変化で骨の硬さや密度が変化することがあるため、その点は十分に配慮しながら治療計画を立てる必要があります。 編集部: では、インプラント治療の成功率も、年齢や性別で変わることはないのでしょうか? 小松先生: 全身状態が良好で骨の硬さや厚みも十分にあり、適切なメンテナンスを行えば、年齢や性別による大きな違いはありません。 ただし、高齢になると体の抵抗力が弱くなる傾向があるため、事前の治療計画の段階でそのようなリスクを想定した対策や、術後のケアについて十分に考えていく必要があります。 今は健康でも、将来的に持病が増える可能性も考えられるため、現在の状態だけでなく、将来的なリスクも含めて十分に精査することが重要です。 編集部: そのほかに、年齢や性別で何か配慮されていることはありますか? 小松先生: 高齢の方の場合は、事前のカウンセリングで全身状態や服薬状況の確認は必ず行うようにしています。これは、治療計画を立てるうえで非常に重要な情報となるためです。 また、年齢や性別に関係なく、患者さんの生活習慣や生活スタイルに応じたプランニングは常に心がけています。 インプラント治療においては、年齢や性別といった大きな枠組みだけでなく、個々の患者さんの状況をきめ細かく把握し、それに応じた治療計画やメンテナンス方法を提案していくことが大切になるでしょう。