はやぶさ2の人工クレーター実験詳細 JAXA会見(全文1)目的は達成されたと確信
熱赤外カメラ画像の説明
岡田:この画像ですけれども、次、岡田が説明します。この画像ですけれども熱赤外のカメラですね。中間赤外カメラ、TIRで撮りました。2秒に1回、ここに書いてありますように、2秒間隔で合計30枚ですから、分離後約1分間になりますけれども撮像しております。可視のカメラと違いまして、可視のカメラのほうはフラッシュとかたく関係で光るところがあるので、露光時間を非常に短くしてるから地面が写らないんですけれども、熱赤外のカメラの場合はそういう光るということがありませんので、露光時間を十分に取ることができます。従って地面、向こう側にある背景の地面とSCIと両方がきちんと捉えられるということで、こういう運用のときには非常に使い勝手が良いということがよく分かるかと思います。 特にカメラでフラッシュをたくのは、分離直後っていうのは自分自身の影に入ってしまうというところがあって、暗くなるのでフラッシュをたくわけですけれども、これは熱赤外といって、自分が出す熱の放射を捉えますので、そういうことがないと。だから赤外カメラっていうのは夜間カメラとしても使われるものですけれども、そういう意味で表面とSCIが同時に捉えることができる。これでSCIがとちょうど画像の真ん中方向に動いているということが分かるかと思います。これはかなり理想的な角度で分離されたということを示しているというものであります。 次のページにいきまして、これはどこですかということなんですが、画像で示す、左の画像。これもTIRの画像なんですけれども、この黄色の枠で示す辺りになります。ここが衝突点というわけではありません。で、分離が30分前であります。すいません、40分前です。分離してから実際に動作して小惑星にインパクトするのは40分後になりますから、これはその間に小惑星は自転します。従って自転する40分前の位置ということになるわけですね。だからここに当たったわけではなくて、この赤い丸のあたり。ここが前に降下運用を行ったS01の辺りなんですが、その辺り、その近くが一応目標点であったということです。 だいたい30度ぐらいですね。40分前っていうのは、経度にして約30度になるんですけども30度ぐらい東側に降りますので、正しい位置で分離されているということが分かります。以上です。