はやぶさ2の人工クレーター実験詳細 JAXA会見(全文1)目的は達成されたと確信
衝突装置運用の結果
佐伯:はい、佐伯です。よろしくお願いします。もう概要をここに示していただいてありますけれども、4月3日から開始して、4月5日の10時56分にSCIを分離しました。その40分後に作動させるということになって、予定どおり行われました。後ほどホームポジション等の復帰の計画に関してはご説明差し上げます。SCIの分離は先日、画像を出させていただきましたけれども、カメラによって分離が確認されています。本日は別の画像もこのあと出てくるということになりますが。 あと、SCIの一番、衝突させるというところなんですけれども、これも当日、分離カメラの画像によって確認されています。これをもって「はやぶさ2」の1つの工学目標の1つである、衝突体をリュウグウに衝突させるという目的に関しては達成されたというふうに確信しております。今後は形成されたと思われるクレーターの探索を行います。 次のページは当日の運用の結果です。詳細にはご説明差し上げませんけれども、先ほど申し上げたようにSCIの分離が11時、地上で13分ごろに行われて、DCAMが11時32分ぐらいに分離が行われました。SCIの作動が地上で確認できたのは11時53分です。3分間ほど、われわれ探査機の安全というものを注意深く確認して、当日、管制室で拍手が起こったのは11時56分というところになります。現在はホームポジションに向かって帰っている途中になります。 次のページは今までの表を図に変えていただけですので簡単にしかご説明差し上げませんけれども、およそ衝突装置がリュウグウ上空500メートルで切り離されますけれども、その高度に到達したのが日本時間の10時44分ごろになります。そのあと分離して作動まで至っております。 次の10ページ目も先ほどの実績を図に表したところですので数字は読み上げませんけれども、4月5日の10時56分にSCI分離、作動が40分後に行われています。そのあと「はやぶさ2」は予定どおり、初めてなんですけれども、小惑星のいわゆる今まで上から見下ろしてたのが向こう側に潜るようなことを行いまして、マックスだいたい20キロメートルぐらいまで離れたということが確認されています。 予定どおり4月6日ごろに今度はリュウグウの向こう側に行っていたものを、こちらに戻してあげるというような軌道操作を行っております。ここの右側のほうに書いてありますけれども、4月8日におよそリュウグウの真横に来て、探査機のサイドにあるONC-W2というカメラがあるんですけれども、それによってリュウグウを捉えて、自分の位置を確認したということを行いました。その次の日に、「はやぶさ2」の自分の位置が分かりましたので、4月9日にホームポジションに戻るための、1回目のデルタVを実施したというのが現在までの状況になります。