はやぶさ2の人工クレーター実験詳細 JAXA会見(全文1)目的は達成されたと確信
衝突位置について
佐伯:すいません。先ほどちょっと申し忘れたんですけれども、どこに当たったかっていうことが結構、皆さん興味かもしれませんけれども、今、画像ありましたけれども目標点が、何ページ目ですかね。34ページにおおよその地図がありますけれども、すいません、ちょっと飛ばして。目標点、狙ったところっていうのがこの6度、303度ですね。北緯6度303度のところなんですけれども、現在、クイックにDCAMの画像とかで見ているだけでまだ正確なことは言えませんけれども、ここからおおよそ数十メートル以内に当たったのではないかなというふうに考えています。もともと最悪では数百メートル以上とかっていうところも考えていたので、そういった意味では極めて正確に作動して衝突できたのではないかなというふうに思っています。 すいません、ちょっと戻っていただいて、あと、先ほどのちょっと、先ほども申し上げましたけれども、復帰のところですけれども、4月8日にリュウグウを再捕捉しておおよそ「はやぶさ2」の位置は分かりました。4月9日には探査機サイドにスタートラッカという、ある意味星を見るためのカメラがあるんですけど、それでもリュウグウを撮像しています。ここの出ている画像は、そのスタートラッカで撮った実際のリュウグウです。このときはおおよそ100キロメートルぐらい離れたところから撮っている画像になります。現在、先ほど言いましたように9日にデルタVを打って、到着に関しては4月18日ぐらいまでゆっくりと時間を掛けて戻る予定になっております。
DCAMの運用結果
澤田:ではDCAMの運用の結果について今日はちゃんとDCAM担当になっていますね、私。私と小川のほうから説明します。今データがすごくたくさん取れているので、週末から少しずつ下ろしている状況で、解析中という状況なんですけども、まず最初にアナログ系で分かる範囲でということで、今1枚お見せしています。 向かって左側の絵は先週お見せしたものなんですけれども、その20秒後の画像っていうものも下ろしていまして。ちょっとこのモニターだと分からないと思いますけど、紙だと少し分かると思いますけども、20秒間でこのイジェクタと呼ばれている飛び出ているものの形が変わっているっていうところが見えてますので、これは打ち上げ前にアナログ系で想定してた画質だとここまで分からないんじゃないかと思ってたんですけれども、アナログ系でもこういったものが分かるということが今回、下ろした画像で分かっています。次からはデジタル系の報告になります。 小川:神戸大学の小川から説明させていただきます。運用当日の記者説明会の場ではアナログ系に関する報告にとどめていて、デジタル系の情報、あるいは画像といったものはまだ地上には下りてきてない状態でした。あたらめて本日DCAMのデジタル系のほうにつきましても画像が下りてきて、成功していたということをご報告さしていただきたいと思います。 それで今ご覧になっていただいているスライドですが、これはどちらも同じデジタル系の画像になります。向かって左側が生に近い画像ですね。右側がその画像の一部を拡大して、なおかつ明るさを調整したものです。この画像はSCIの作動の約185秒前の画像になります。 高ゲインで長時間露光モードという、デジタル系というのは撮像ごとに露光時間とゲインが変わるようになってるんですけども、自動的に変わるようになってるんですが、これはそういったもので撮ったものです。それはSCI本体を作動前にカメラに収めるということを目的としたものになります。それで、この右側の画像でご覧になれるように、リュウグウの上空に、この時間帯にSCIの本体が浮かんでいるということが確認することができました。 それでSCIというのは、35スライド目ぐらいに補足資料に写真がございますけども、側面に白いベータクロスと呼んでいる宇宙服と同じ素材なんですが、こういった白い、よく光る、よく光を反射するものを横に巻いております。ですから今、遠く離れたDCAMからもそれが確認することができたということです。 じゃあ次のスライド、18スライド目。デジタル系は1枚1枚の画像のサイズがアナログ系と比較して非常に大きいので、地上に下ろすのに非常に時間が掛かっています。ここに、今お見せしているのはその中で数少ない2枚なんですけども、向かって左側がSCI作動の約14秒前になります。これは高ゲイン、短時間露光モードで、主に小惑星本体を撮影するためにしているモードです。 それから向かって右側の画像ですね。これがSCI作動の約3秒後の画像になります。小惑星の位置が変わっていますけども、これはDCAMの本体が回転をしていますので、小惑星の位置が画面の中で変わるということになります。これの一部を拡大して見てあげたところ、アナログ系と同様の位置に、より、もう少し鮮明にクレーター、イジェクタが、確認することができました。デジタル系からは報告は以上です。 【書き起こし】はやぶさ2の人工クレーター実験詳細 JAXA会見 全文2に続く