大神いずみ「女子アナ時代、博多弁の〈ずんだれる〉を堂々と公共放送に乗せた私。〈言い間違え〉の類いを思い出して笑えるのって幸せだ」
◆「あっちゃがぱーぱー」 わたしに限らず、日常でよく耳にする「言い間違え」「聞き間違え」「空耳」の類いは多い。 他人を気分悪くさせたり傷つけたりするものでなくて、あとでふと思い出すと1人でプッと吹き出してしまうこの類い、わたし、嫌いではない。 ものすごく気分が落ちていたり疲れていたりする時、振り返って1人でププッと笑えるかどうかで、私はその時の自分の重症度を測っている。 本人の名誉のため、誰のことだかは一応伏せておきます。 まあ、似たり寄ったりのことはみんなそれぞれある家族なのだが…。 我が家の息子は3歳くらいの頃、大好きだった「きかんしゃトーマス」に出てくる200くらいの名前を全部覚えていた。 外に連れ歩く時、図鑑を常に持ち歩き、予防接種の待ち時間などに開いては絵を指してキャラクターの名前を言う。 膨大な数、ほとんど正解なのを見て親は密かに「もしかしてうちの子天才なんじゃ…!?」と、期待したものだ。今にして思えばとてもシアワセな思い込み。(今じゃ一つも覚えてないらしい。) トーマス→「とーます」 パーシー→「ぱーしー」 ゴードン→「ごーどん」 ジェームス→「じぇーむす」 トップハム・ハット卿→「あっちゃがぱーぱー」 なぜか他のは全部言えても、「トップハム・ハット卿」だけは「あっちゃがぱーぱー」としか言えなかった。なんじゃそれ。しかも一文字も合ってないし。
◆「シンジュクヒガシロ」と「イチアサータ」 ちなみにもう1人の息子は「カーズ」に夢中だったが、名前というより子供用自動車のハンドル捌きがうまく、リビングでのコーナリングやキキーッと急停車する様子がカッコ良すぎで、私も手を叩いて喜びすぎた。 今その才能はどこに活かされているというのだ。野球だといいですね。本当に。 ある時は電車の乗り換えに迷って電話してきて、雑踏のなか自分の声もよく聞こえないような状況で、 「いま、シンジュクヒガシロにいるんだけどぉ~.」 …東口(ひがしぐち)な。 よく今までそこだけカタカナで読んでたな。 同じような言い間違えでいうと、家族で真面目な話をしていたときのこと。 いろんなことをやってみるけれど、なかなかすぐに結果が出ないのは仕方ないよね、と言う話をしているなかでごくごく当たり前のように、 「…だからそんなイチアサータにはいかないよね」 何語!? 一朝一夕(いっちょういっせき)、なんでそこ突然カタカナで読む? たしか学校で一度はテストに出て間違えたはず。復習しませんでしたね、こらっ。
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