桂雀々さん64歳で死去…糖尿病による肝不全 “隠れ糖尿病”に注意「見た目だけでは言えない」見過ごしがちな“サイン”は
スピーディーな語り口と力強いアクションで観客を魅了し、「上方落語の爆笑王」と呼ばれた落語家の桂雀々さんが、11月20日に64歳という若さで亡くなりました。 【画像】“隠れ糖尿病”のサインとなる症状・糖尿病の予防法をチェック! 所属事務所によると、雀々さんは10月下旬に外出先で救急搬送され、一時は回復に向かいましたが、その後容体が悪化したということです。 救急搬送される2日前にも高座に立っていたという雀々さん。死因は、糖尿病からの肝不全でした。 血糖値がうまくコントロールできなくなり、様々な合併症を引き起こす「糖尿病」。 専門家によると、気づかないうちに「糖尿病」になっている“隠れ糖尿病”の人も少なくないといいます。 三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック 田中祐希院長: “隠れ糖尿病”、いわゆる自分が糖尿病だと知らない。あるいは、診断がついていない方でも合併症というのは進んでいきます。 ご本人は喉の渇きだとか頻尿っていうのが日常生活の延長なので、我慢して我慢してということでそれが何十年も続く間に、合併症が進んでいって、ある日、致死的な状態になってしまって、突然死ということはあり得ると思います。 ――雀々さんの死因は糖尿病からの肝不全ということですが。 そうですね、一般的には糖尿病患者さんは脂肪肝の方も多くて、それが進んで肝硬変、肝不全ということも多いんですけど、それは非常にゆっくり進むことが多くて、例えば急に心筋梗塞を起こしてしまって、全身の血の巡りが悪くなってからの肝不全、そういったケースだと非常に早いのもあるのかなと思います。 肝不全の他にも糖尿病が引き起こす病気や症状は様々ですが、主なものだけでも、心筋梗塞 、脳梗塞、視力低下、失明、腎機能低下、神経障害などがあり、最悪の場合、突然死につながることもあるといいます。
日本人の5人に1人が糖尿病リスク?
糖尿病で注意が必要なのが、自分自身で糖尿病だと気がついていない“隠れ糖尿病”です。 厚労省の調査では、20歳以上の男女のうち、「糖尿病が強く疑われる人」 は推計1000万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」は推計1000万人と、日本人の5人に1人が「糖尿病のリスク」を抱えているという結果が出ています。 さらに、「糖尿病が強く疑われる人」の中で、40歳以上の男性全体では約21%、女性全体の約26%が「治療をしていない」と答えました。 ――糖尿病になっているかどうか見た目で判断はできるのでしょうか? 田中祐希院長: 糖尿病のなりやすさの素因のひとつに「肥満」というものがありますので、肥満というイメージを持たれている方も多いと思いますが、日本人はインスリンを作る力が比較的弱い民族と言われていて、痩せ型なんですがインスリンを出す力が弱くて糖尿病に至るという方もいますので、見た目だけでは言えないと思います。 ――痩せていても糖尿病になる可能性が十分にあると? 十分ありますね。 糖質の量というのが、血糖値にものすごく直結してくるところで、非常にそういった意味では(食生活は)血糖値に響きやすいんですが、ただその人のインスリンを作る力、引き出す力には個人差があって、それでもなんとかなっている人もいますし、血糖が破綻している方もいますので、検査をしてみないことにはと。 ――遺伝的な要因は大きい? はい、糖尿病のタイプで2型糖尿病と言われるタイプが最も数としては多いのですが、それはすごく家系が強い。なりやすさというところが遺伝になりますが、ただなりやすさというだけで、必ずなるわけではなくて、なりやすさにさらに生活の良くなさが加わると発症していくと。 ――治療をしないと悪化するスピードは速まる? そうですね、糖尿病というのはダメージ累積型の疾患なので、血糖が高い期間が長ければ長いほど、どんどん合併症というのは進行していきます。