アフリカの子どもたちに笑顔を!人力車で旅をするガンプ鈴木さんのアイデア「Run For Snack」
ケニアのナイロビを出発し、南アフリカのケープタウンまで人力車を引きながら走る「ガンプ鈴木の人力車でアフリカ縦断」。 【写真11枚】ガンプさんが走る目的のひとつに、「現地の人との交流」がある。子どもたち、家に泊めてくれた村の女性との出会いなどを写真で見る 第3弾は、タンザニアを走行中に近況をインタビューした。ガンプさんは、今も人力車を引いて毎日約40kmを走っているという。しかし、ただ1人で走っているのではなく、目標は「Run For Fun」。「走ること」を通して世界中のみんなが笑顔になることを目指している。 そのために日本にいる人も一緒にできる行動を提案。また、現地で出会った人々との関わりや、近況についても聞いた。
子どもたちが喜ぶ「おやつの時間」
「僕が走っていると、学校帰りの子どもたちが一緒に走ってくれるんです。『イチ、ニ、イチ、ニ』と言うと、僕のマネしてくれて。関西弁を交えて話しかけると、その言葉を返してくれます。発音がいいのがびっくりです」 ◆アフリカで直面した現実とは? ガンプさんは地元の子どもたちとの交流を楽しみながら走っていた。ただ、このようなことだけではなく、「食べもの」や「お金」を求めて寄ってくる子どもたちも少なくないのが現実という。ガンプさんはそんな子どもたちを避けながら走る自分に「これでいいのか?」と自問自答した。子どもたちの笑顔はとても豊かな表情だが、彼らが住む家の横を走り貧しい生活も垣間見ていたからだ。 アフリカの乾いた大地を前へ前へと走りながら、ガンプさんはずっと考えていた。 「物乞いのような状況に直面して、自分たちになにかできないかと思ったんです。子どもたちにお菓子をあげると喜ぶかなと。ぶっちゃけお菓子が一番必要かというと、それは微妙なんですけど(笑)。でもこの小さな支援から交流に広がって、なにかが生まれるかもしれない、そう思い始めました」 1袋10枚入りのクッキーが24袋で1箱。1箱は約600円。これを人力車に載せて、道々で出会う子どもたちに配り始めた。 1人に配り出すと、どこからか溢れるように集まってくる。その弾ける笑顔たるや。だいたい1日に1箱のクッキーがなくなる。「やはり子どもには『お菓子の時間』が欠かせない」そうガンプさんは語った。 ◆日本からでも応援できる「Run For Snack」ってなに? アフリカ縦断が始まるときに立ち上げた「Run For Fun」という企画では、ガンプさんと日本のランナーたちがつながり、そこでは「一緒に走ることを楽しむ」を目標に掲げてきた。今回、ガンプさんは子どもたちと交流するなかで、「Fun」を「Snack」に置き換えた「Run For Snack」というアイデアを提案した。 こうして「Run For Snack」は、毎週土曜日、ガンプさんがいる場所の現地時間午後3時に開催されることになった。日本時間では午後9時くらいになるが、この時間にガンプさんと走る日本のランナーも増え始めているという。参加費100円で、これがお菓子の寄付金となる。イベントと同じタイミングで走ることが難しければ、いつ走っても参加できる。そんな人のために、各々が同じ目的で走った距離や時間をシェアできる、LINEを使ったオンラインコミュニティを立ち上げた。走ることを通して、つながりを持つためだ。