アフリカの子どもたちに笑顔を!人力車で旅をするガンプ鈴木さんのアイデア「Run For Snack」
「Run For Fun」のオンラインコミュニティでさらなる広がりを
元々は人力車を引いて1人で旅をはじめたガンプさん。アジアから始まり、次第に旅のスタイルに賛同してくれて一緒に走る仲間が増えていった。しかし、それぞれの事情で継続する人はおらず、前回のアメリカ横断の旅でまた1人となった。 「仲間もいない、1人なのになぜ自分は走るのか?」と自問自答し続けた。このときに出会ったのが「JUST FOR FUN」という看板だったという。アメリカの国道に突然現われたその文字に、ガンプさんはハッとした。そしてその看板から遠くない街に暮らす男性が教えてくれた生きる目的、これもまた「JUST FOR FUN」。そのときガンプさんは、「旅を楽しみたい」という、最初に抱いた気持ちを思い出したという。 アフリカの旅への出発をひかえた今年5月、ガンプさんは東京で数人の仲間と食事をした。そのうちの1人、田中喬祐さんは、元々浅草で7年間、人力車を引いていたガンプさんの俥夫仲間だ。彼は人力車で世界一周する旅に出るというガンプさんに賛同し、現在は日本で「ガンプ鈴木のアフリカ縦断」プロジェクトを支えている。今回、田中さんにもお話を聞くことができた。そしてガンプさんにも負けないアフリカに賭ける思いを語ってくれた。 「アフリカ縦断は、アメリカ横断を超える旅にしたいと思いました。アメリカ横断のときにたくさんのメッセージを頂いて、ガンプさんの旅が誰かの人生にいい影響を与えているのではないかと感じました。なので、人生を楽しんでいる人も、これからの人も『JUST FOR FUN』の気持ちで一緒になにかしたいと思っていました。それをガンプさんたちと話していたら、突然『RUN FOR FUN』はどうだ?『RUNして世界をFUNにする』。それいい、いい!という話になったんです」 当時を思い出しながらそう話す田中さんから、いいアイデアが閃いた喜びが伝わってきた。 ◆走っているのは、もはや”ひとり”じゃない ガンプさんが1人で走るのではなく、「みんなで楽しく走る旅にしたい」という発想だ。南アフリカでゴールするときには、世界中で何万人もの人が一緒に走っている絵が浮かんだという。そこで立ち上げたのは「RUN FOR FUN」というオンラインコミュニティだ。田中さんは、みんなでどうしたら継続できるかを考えて、インスタグラムやWEB(こちらのサイトからLINEのオンラインコミュニティへの登録ができます)などのプラットフォームを開設した。 「僕自身が強くないので、走る仲間と繋がれる居場所がほしいと仕組みを作りました」と田中さんは続けた。 現在、「RUN FOR FUN」のインスタグラムのフォロワーは約1,500人、LINEのオンラインコミュニティ登録者数は約330人。一方ガンプさんのインスタグラムは約200,ooo人、TikTokは337,000人、YouTube 70,800人と比較すると、まだ「RUN FOR FUN」の参加者は少ないのが現実だ。 ◆日本で走って、どんどんつながろう! ここで冒頭の話に戻るが、実際にアフリカを走り始めて、子どもたちとの交流で思いついた「Run For Snack」という企画。これが7月から開始されて現在(2024年9月14日 )まで8回、合計358,304円の寄付(参加費)が集まった。 「いつも乗る電車を乗らずに走って、電車賃を参加費にまわしました」 「いつも飲んでいるお酒を1杯がまんして、その分参加費にまわしました」 そんなランナーの声も届いているという。ガンプさんは「寄付に賛同して参加費を募金してくれる人に感謝している」と話してくれた。そして、自分の健康に加え、子どもたちのお菓子になっていることで、自分の喜び以上に感じてもらえていればと願っている。 筆者も最近ランニングを始め、このLINEコミュニティに参加している。そこでは「今日、〇〇km走りました」と青空や虹の写真を一緒に投稿したり、「今度〇〇でランニングのイベントがあるので、一緒に参加しませんか」などの募集もある。走ることで人とつながる場ができはじめている。参加者が自発的に動き出したオンラインコミュニティに、田中さんは喜び、さらなる希望を語ってくれた。 「僕らも手探りで、正解を作りにいってます。南アフリカのゴールでは目標1万人、いや本当は10万人の人とつながって走りたいんです」 もはやガンプさんの一人旅ではない。彼を支え、同じ方向を向いて進むスタッフや日本のランナーが日に日に増えている。南アフリカのゴールでは、ほんとうに数万人規模の大イベントに発展するかもしれない。 写真提供:Just For Fun、同行カメラマン=ハルノスケ、関大基、パト 私が書きました! インタビューライター兼ツアーガイド マエノメリ史織 京都在住。休みになればどこかへ出かけ、新しいモノ、ヒトとの出会いを楽しんでいます。国内外問わず、子どもと自然の中へ出かけることが好きなので、家族とお出かけに良さそうな場所をお届けしたいと思います。
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