日本古来のアレを食べて!糖尿病を改善させる“細菌”について医師が解説
現代病の1つでもある「糖尿病」。日本人の4人に1人が発症しているとも言われ、脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる病気を引き起こすこともあります。この糖尿病の改善や予防に腸内細菌が大きく関わっていることがわかってきているようです。そこで今回は、糖尿病と腸内細菌の関係性について、YouTubeチャンネルの登録者数が37万人を誇る、医師でヘルスコーチの石黒成治先生に教えてもらいました。 ◇ ◇ ◇
糖尿病と“腸内細菌”の関係性
糖尿病の治療に関して、腸内細菌が注目されています。 糖尿病は、すい臓のβ細胞で作られるインスリンというホルモンが出にくくなる、もしくは効きが悪くなることによって血糖値が下がりにくくなる病態です。 この血糖値が値下がりにくくなる過程に腸内細菌が関わっているという臨床データが続々と報告されています。 糖尿病患者の腸内細菌を調べたところ、腸内細菌の多様性が失われていました。多様性というのは、たくさんの種類があるということなので、種類が減ってしまっているということ。 多様性が減少すると短鎖脂肪酸を産生する菌も減りやすくなり、短鎖脂肪酸が減ると腸の健康と代謝のバランスが悪くなります。 また、短鎖脂肪酸は腸の中のエネルギー源になったり、腸の炎症を取ったりする作用のほかに、全身の代謝を改善する効果があり、インスリンの効きにも影響を与えます。 短鎖脂肪酸がたくさんあれば血糖値は安定しやすいですが、減ってしまうと血糖値は不安定になるのです。
腸内細菌の違いが血糖値にも影響する
糖尿病とそうでない人の違いとして、健康な人はフィルミクテスが多く認められるのに対し、糖尿病患者にはバクテロイデスやプロテオバクテリアという細菌が増えていることが報告されています。 これらの細菌が増えるとインスリンが効きにくくなったり、血糖値が不安定になったり、炎症が増加したりすることがわかっているので、明らかに腸内細菌の違いが血糖値のコントロールに違いを与えていることが見て取れます。 私たちの代謝1つ1つに腸内細菌の代謝物質が影響を与えていますし、ほんのわずかな細菌でも血糖値に大きく影響を与える可能性があります。