実写映画が話題の傑作ホラーから考察要素満載のサスペンスホラーまで! 注目のホラーマンガ7選【書評】
謎が謎を呼ぶ! 考察がはかどるサスペンスホラー『N』
基本的にホラー作品は、“謎”と“恐怖”がセットになっているもの。ちりばめられた伏線が回収された時には、ここまで恐怖に耐えてきて良かったと感慨深くなることもあるだろう。『N』(くるむあくむ:原作、にことがめ:作画/KADOKAWA)も、多くの人から「考察がはかどる」「早く真相が明らかになってほしい!」と大反響を集めている作品だ。
男子中学生5名行方不明事件、小学校1クラス惨殺事件、自動車暴走2名死亡事故……。それらはまったく関係のない事件に思えるが、現場にはいずれも「N」の文字が残されていた。その主犯として、ある都市伝説が世間を賑わせる。一連の事件は、2000年前に崩壊したはずの宗教団体「N」が関係しているのではないか――。 一体「N」とは何なのか、すべてのカギは「N」が握っているのか……。しかし「N」の正体が明らかになったとしても、それで事件の全容を掴めるとは限らない。むしろ謎が深まる部分もあるのだ。緻密に構成されたストーリー展開のため、考察好きな人にも刺さるはず!
至極のオムニバスホラー『感受点』
『来世ではちゃんとします』(集英社)のいつまちゃん氏と『ミューズの真髄』(KADOKAWA)の文野紋氏がタッグを組んだホラーマンガ『感受点』(小学館)。マンガ配信サービス「サイコミ」での連載時、「次の配信まで待てない」「早く続きが読みたくて震えてる」と読者を虜にした話題作だ。
全12編のオムニバス形式で展開される同作は、コミックス1巻のみで気軽に手を出しやすいのも嬉しいポイント。かといって内容まで気軽なわけではない。1話読み終えるとすぐに次の話が読みたくなってしまう仕掛けが用意されているため、コミックスでまとめて読むのがオススメ。 というのも、同作はオムニバスだが1話で完結する物語ではない。第5話まで読めば点と点が繋がり、ある種の驚きが待ち受けているはず。やがて登場人物たちが交差していき、その先には……。日常が狂い始める“感覚”を、ぜひ味わってみてほしい。