【医師解説】“普通のかぜ”がインフルやコロナと同じ5類感染症に 学校や会社は休むべき?窓口負担は増える? 気になるギモンに回答します
寒さが厳しくなり、体調を崩す方も増え始めた今日このごろ。「急性呼吸器感染症」。いわゆる“普通のかぜ”が、インフルエンザや新型コロナと同じ「5類感染症」に分類されることが決まりました。 位置づけが変わるのは来年4月7日からですが、私たちの生活にはどんな影響があるのでしょうか。感染症に詳しい葛西医院の小林正宜院長の解説です。
■“普通のかぜ”とは?
感染法上の「5類」にはインフルエンザや新型コロナウイルスなどが分類されています。 (小林院長)「“普通のかぜ”というのは皆さんがイメージされるような、鼻水、喉の痛み、頭痛、咳、発熱、倦怠感などの症状。そういった全般の症候群を“かぜ”と言います」
■なぜ今「5類感染症」に?
5類感染症になると、指定医療機関による定点把握の対象となります。厚労省は、未知のウイルスをいち早く察知する狙いがあるとしています。 (小林院長)「新型コロナのときの中国は対応が遅れてしまいました。例えば今は『マイコプラズマ』が流行していますが、そういったものは原因となる微生物が分かっています。しかし、例えば大阪で未知のウイルスが発生したときには、原因が分からず拾い上げる枠組みがないということになります。“かぜ”を定点の報告にあげることで、早期にキャッチすることを狙って作られたものです」
■“普通のかぜ”でも休まないといけないの?
5類に指定されているインフルエンザや新型コロナウイルスの場合、発症翌日から5日間外出を控えることが推奨されており、学校の出席停止期間は「5日経過かつ症状が経過したあと、1日を経過するまで」となっています。“かぜ”が5類に指定された場合、学校や会社を休まなければならないのでしょうか。 (小林院長)「“かぜ”が5類になっても、休まなければならない決まりはないので、これまで通り“自己判断”です。ただ、インフルエンザや新型コロナの出席停止期間は、小中学校の欠席日数にカウントされませんが、“かぜ”は欠席扱いになります。ある程度症状が軽いので出席しますということも問題ありません」