高齢の母親、賃貸物件の契約更新してもらえない…「喫煙を理由に拒否」に法的問題は?
●契約期間が終わっても立ち退いてくれない場合は…
――正当事由が認められそうな場合に、更新拒否はどのように行われるのでしょうか? 正当事由を主張して立ち退きを求めるならば、法律で定められた期間内に「更新拒否の通知」を送らなければなりません。この場合、「証拠が残る形式」が良いので、配達証明付きの内容証明郵便で通知されるはずです。 契約に「期間の定め」がある場合は、契約期間満了日の1年前から6か月前に「契約を更新しない」旨の通知を賃借人に送る必要があります。この期間に通知を送らなかった場合は契約が法定更新されることになります。 なお、更新拒否の通知を行なった場合でも、契約期間満了後に賃借人が継続して建物を使用しているときは、賃貸人は遅滞なく反対の意思表示を行なう必要があります。 契約に「期間の定め」がない場合は、原則としていつでも解約の申入れが可能です。もちろん、解約申入れには正当事由が必要です。 正当事由があれば解約申入れを行なってから6か月経過した時点で契約が終了することになります。なお、契約の期間に定めがある場合と同様に、契約期間満了後に賃借人が継続して建物を使用している場合は、賃貸人は遅滞なく反対の意思表示を行なう必要があります。 もしそのような通知が届いた場合、正当事由が認められる可能性があるのか、どの程度の可能性があるのか、弁護士などの専門家に相談しましょう。 【取材協力弁護士】 瀬戸 仲男(せと なかお)弁護士 アルティ法律事務所代表弁護士。大学卒業後、不動産会社営業勤務。弁護士に転身後、不動産・建築・相続その他様々な案件に精力的に取り組む。我が日本国の歴史・伝統・文化をこよなく愛する下町生まれの江戸っ子。 アルティ法律事務所