【子どものペットロス】「泣くと○○が悲しむよ」は禁句。悲しみから立ち直る回復力は、しっかり悲しむ経験から
死んでしまった理由を正確に伝える
とはいえ、共感と受容は、ペットの死を認識して悲嘆に沈むわが子を支える際の心構えです。小さい子どもの場合、ペットの死を理解させるために、亡くなった事実を何らかの方法で伝える必要も一方ではあるはずです。 「死」という概念が重たすぎるために、あるいは子どものショックを軽くしたいと願い、死をごまかして伝えたくなる人もいるはずです。死そのものの伝え方は、どうすればいいのでしょう。 「子どもが悲しむ姿に向き合いたくないなどの理由から、ごまかしたくなる気持ちも分かります。 また、お子さんの年齢によっては、死を理解できないかもしれないと配慮したくなる気持ちもあることでしょう。 ただ、お子さんが一定の年齢に達したら、理解できる範囲で、ごまかさずに、死んでしまった理由を正確に伝えてあげてください。そのほうが、子どもの悲しみが複雑にならずに済みます。 例えば、幼稚園で飼っていたハムスターが死んでしまったため『そのうち帰って来るよ』と先生が伝えたり、違うハムスターを買ってきて入れ替えたりするようなケースが実際にあります。 先生からすれば、子どもたちへの配慮なのですが、ハムスターの帰りを子どもたちがいつまでも待ってしまうなど、悲しみが複雑になっていきます。 立ち会う機会があれば、ペットの死には立ち会ってもらう、その上で、なぜ死んでしまったのか、子どもの状態に配慮しつつ正確に伝えてください。病気で死んでしまったのならば、そのとおりに伝えます。 また、小さいカブトムシのようなペットであっても『さようなら』を伝えられる機会を用意してあげてください。愛情を注いだペットに対して『お花でもあげようか』などと言ってお別れの機会を設けるのです。 頭で死が理解できない幼い子どもでも、その弔いの経験を通じて何かを感じ取ってくれます。 おじいちゃん、おばあちゃんとのお別れ、大切なペットのお別れ、これらの経験を通して、どんな生き物も等しく命は1つしかない、大切にしなければいけないと実感するのではないでしょうか」(濱野さん) ペットの死をごまかさずに事実として伝える、その上で、子どもの悲しみに寄り添い、共感し、お別れの場面を設けてあげればいいのですね。